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2009年11月30日 (月)

この人に会いたい(14)葉祥明さん

1996年に出した絵本『地雷ではなく花をください』が話題となった。
翌年、日本絵本賞読者賞を受賞した。
水平線や地平線が美しく描かれ、そこに小さな灯台や家、教会がぽつりとある。
人が出てくることもあるが、ほんのわずか。

3年前、葉さんたちが中心に行っていた「えほんのくに」のイベントに出るため、熊本にお邪魔したことがある。Photo_2
3日ほど葉さんと一緒に過ごした。楽しい時間だった。

葉祥明阿蘇高原絵本美術館は美しいし、葉さんの絵も美しい。
美術館の裏庭に出て、べンチに座っていると、なんとも至福の時間がもらえる。
雲が流れていくのを見ていると、空からのささやきも聞こえてきそうである。
丘のような山が何重にも重なって、遠くまで見渡せる。
その山につくられた小道はどこまで続くのだろう。
たどっていくと、どこに行くのだろう。あの山を越えたら、何があるんだろう。
葉さんはたぶん、あの山の向こうに希望をみているんじゃないかと、思って見ていた。

『メッセージ・オブ・ライフ』『今日という日』など、メッセージブックもたくさん描いている。
毎日の暮らしで忘れてしまう何か、人生という日々に大切な美しい言葉が、美しい絵に添えられている。
たとえば、こんな文章がある。

「人は決して
一人だけでは生きてはいないPhoto
自分のためだけに
生きているのではない
人はみな
だれかのために
生きている
だれかのおかげで生きている」

1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故を知り、作風が変わったと言う。
葉祥明はこんな言葉も書いている。
「意味ある人生
意義ある人生とは
自分を大切にし
ほかの人を大切に
いきとしいけるものを大切にし
地球のすべてを大切にする
そんな人生こそ!
人生と呼ぶに値する」

一度、葉祥明の絵本をご覧ください。
心が洗われると思う。

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