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2009年11月14日 (土)

発見! 特B級グルメ(86)ナマズ

岐阜県海津市へ講演に行った。
お昼ご飯には、地元の郷土料理を出してほしいとお願いしている。
生まれて初めて、ナマズを食べた。

来年1月新年号から「週刊ポスト」でB級グルメの連載を始める。0911081image439
タイトルは、「くう・みる・ひたる」。
おいしいものの話や景色や映画の話、温泉にひたった話や感動にひたった話などを紹介していく。
そのために、ちょっと変わったものを食べたいと思っている。
だから、岐阜でナマズが出たときはうれしかった。

カッコはちょっとぎょっとする。
沼で釣ったナマズを、一週間くらい池で泥を吐かせた後、料理するという。
そのせいか、とても食べやすい。
蒲焼みたいな焼き方である。
軽い白身で、実にうまかった。

この土地では、川魚をよく食べる。
揖斐川があり、木曽川があり、長良川がある。
よく洪水に見舞われているという。

洪水には、堤防が大事な役目を果たす。
だが、同じくらい、川底を浚渫することが大事だという。
土地の人たちは、何度も浸水した経験から、ダムよりも、川底の浚渫や堤防を強化することが大事だと思っている。
むしろ、ダムによって魚の生態系を壊してしまわないか、心配する声のほうが多い。

江戸時代、この地の治水のために、幕府が薩摩藩に命じて、堤防作りの職人940人を派遣し、川の堤防などを築いたという。
鹿児島の島津家は、沖縄を中心にした南蛮貿易などで豊かであった。
幕府はそれを警戒し、余分な富を蓄えさせないように、この地の堤防づくりを命じたのだ。
その縁は、今も続き、鹿児島と海津は姉妹都市になっているという。

鯉こくもおいしかった。
鯉のあらいの刺身、マスの塩焼き、もろこの佃煮もおいしかった。

海津市は大型農業化に成功して、自然や昔からの文化を守ってきた。
日本の農村風景がいまもある。
なかなかおもしろい街づくりをしているとみえた。

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