高齢者医療制度改革会議
後期高齢者医療制度は評判が悪かった。
民主党は、後期高齢者医療制度の廃止をマニフェストにうたっている。
それに沿って、新しい改革会議が開かれた。
先日、第一回高齢者医療制度改革会議が開かれた。
ぼくは、その委員の一人になった。
後期高齢者医療制度は、ネーミングを含めて、当事者たちの意見がうまく反映されていなかったので、19人の委員のうち4人は後期高齢者である。
元千葉県知事の堂本さん、高齢社会をよくする女性の会理事長の樋口恵子さんらの話は当事者であることもあって、納得がいく迫力ある話で、主に透明性や平等性を高めていく必要性があることを訴えた。
全国老人クラブ連合会相談役の見坊和雄さんの言葉はなかなかひきつけられた。
「世間は古い高齢者意識に引きずられている。高齢者全体が社会のお荷物になっているわけではない。仕事をもち、社会活動をし、税金を払っている75歳以上の人は、40万人もいるという。8割は介護保険を使っていない。ただし、病気は一つや二つもっている。高齢者がかかりやすいような医療制度があったほうがいい」
今後、後期高齢者医療制度は廃止する上で、年齢で区分するという年齢差別をしない、市町村国保などの負担増が生じないようにする、高齢者の保険料が急に増加したり、不公平にならないようにする、高齢者医療制度だけの問題だけでなく、日本の医療制度を抜本的に見直す第一段階として新たな制度を構築しようという方向性が確認された。
地域保険と企業保険が一体化し、医療保険が一元化すれば、すっきりするが、医療保険がかなりの部分を企業が支えてくれている部分があり、簡単に一元化するというのはすぐにはできない。
しかし、市町村国保を中心とした地域保険において、高齢者医療制度をまず一本化することが、わかりやすく継続可能な医療保険の第一歩なのだと思っている。
今の経済状況を考えれば、天井知らずに医療費が増加し続けることは避けなければならない。
医療が崩壊しないように、医療費費を若干増加させながらも、経済の足をひっぱらない程度に、医療をする側も受ける側も、納得のいく落としどころを見つける必要がある。
きちんと議論して、国民に説明し、みんなが納得のいく制度をつくりあげることが大事だと思う。
鎌田のウエットな資本主義にとって、安心のできる医療保険制度はとても大事である。
ウエットな資本主義構築のためにも、すぐれた、納得のできる、効率的で継続可能な医療保険制度をつくりたいと思う。
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