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2009年12月23日 (水)

鎌田實の一日一冊(48)

『スローメディスン~まるまる治るホリスティック健康論』(上野圭一、辻信一共著、大月書店、1260円)

辻氏は、文化人類学者で、環境運動家、大学教授で、作家である。
「ローカル」「スロー」「スモール」などの言葉をキーワード活動していてる。
「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人代表をしたり、NGOナマケモノ倶楽部の世話人をしている。
『スロー・イズ・ビューティフル』という本も書いている。

『スローメディスン』では、上野圭一さんというホリスティックメディスンをしている人と対談をしている。
前段が、なかなかしゃれていいていい。Photo

北海道にある精神作業所ペテルの家の精神障害者が、辻さんとこんな会話をしている。

「治るという言葉は、どんなふうに使っていますか」と辻さんが聞くと、
「最近、輸入語でリカバリーという言葉をよく使いますね。
アメリカで使われるこの概念は、日本語でいう「回復」や「治る」と違うといいます。日本で「治る」「回復する」というと、「病気が」というのが主語ですが、向こうのリカバリーには、もっと広い意味があって、治らなくてもリカバリーは起こるという言い方をするのです」

治るということを必須条件にしなくていい。
治るにこしたことはないが、治るということと、幸せや安心は別問題だとこの人は言っている。
これは名言だと思う。

「ぺテルの家のみんなは病気が治るということ以上に、何かが回復したり、創造されたり、生み出されたりという願い方をしていて、病気が治るとか治らないとかということでウジヴシしている人は少なくなりました」
「単純に病気じゃなくなれば、幸せになるということではない」

そんなやりとりもあるる

「治る」ということがどういうことなのか、この本で展開されていく。
ぜひ、ご覧ください。

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