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2009年12月29日 (火)

鎌田實 日本経済への提言(34)

~~2010年予算案に思う~~

やっと2010度の予算案の骨格が固まった。

診療報酬は0.19%のプラス改定になった。
10年ぶりのプラス改定である。
当初は3%くらいの改定を考えていたようであるが、徐々に尻すぼみになった。
厚生労働省側は0.36%のプラスを要求したが、財務省がうんと言わず、間をとったようだ。
もっとメリハリをつけたほうがいい。0912241image467

子ども手当てに関しても、地方自治体などに負担をさせるのは仕方ないといえば仕方ないのだが、どうも勇気のない制度である。

地方交付税1兆700億円を増やしたことはなかなかよかったと思う。
地方分権を目指していくんだということ、そして、小さな政府にしていくんだということを語り、医療や介護、子どもたちを大事にしていくことを明確にすることは大事である。

92兆円という途方もない額のわりには、これで経済が活性化するという空気が伝わらない。
元気にだしてやっていこうというムードにならない。
やらなくちゃいけないことに汲々として、92兆円をかき集めたという感じである。

非常にたいへんな予算組みのなかで、92兆円も出して、これから何をしようとしているのか、国民にきちんと語るべきである。
鳩山さんは、国民の心をあたたかくするような物語を語らないといけない。

この国にお金がないことはよくわかっている。
財政の弱体化は、自民党に責任があるわけで、民主党の責任ではない。
民主党はいつまでもマニフェストにこだわっていず、どうすることが国民にとってよいのか、どうすることが安定的な幸せにつながるのか、経済的な成長戦略を描くことである。

鳩山さんは、決断ができない。
結論を先送りにする。
もうちょっとスピード感がほしい。
決断できない鳩山さんだが、物語は語ってほしい。それが鳩山さんの役割である。
この予算案が、どういうシナリオで書かれているのか語るべきである。
その物語の延長線上に参院選があり、地方再生がある。

事業仕分けはわりあい評価が高いが、密約調査の問題も意味があった。
でも、脱官僚に対してはちょっとテイタラク。
もっと官僚をうまく利用すればいいと思う。
利用しながら天下りをさせない。
そして、徹底的に人事を動かし、政権に協力する布陣を敷くことである。
結局は、組織は人事である。

はやく政治と金の問題を明確にすること。
そして、二度と繰り返さないようなルールをつくる。今の与党なら作れると思う。
そうすることによって、国民も今、問題になっているようなことに頓着しないと思う。

写真は、晩白柚(ばんぺいゆ)というかんきつ類。
熊本の八代の特産品で、世界一のジャンボミカンという。
ロシアのマトリョーシカの横に置いてみた。
玄関に入ると、ふわっとかんきつ類のいい香りが立ち込める。
しばらく香を楽しんで、1月末くらいに食べようと思う。

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