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2009年12月14日 (月)

お寿司の日

0912091pc090917 毎年恒例のお寿司の日があった。

寿司ネタは、小学校時代の親友、宿谷賢一君が送ってきてくれた。
宿谷君は「鎌田が施設長をやっているなら応援してあげるよ」と言って、15年近く、鯛やカニ、マグロ、イクラなどを大量に送ってくれている。
シャリは、秋田に講演に行ったときにいただいたお米。
もみつきのままとっておき、お寿司の日の前日に精米した。

これをボランティアで握ってくれたのは、病院のすぐ近くにある玉川寿司のオヤジさん。
朝5時から、三升を五回炊いてもらい、約2000個のお寿司を握ってもらった。

ぼくは一人でうまく生きれない人間で、子どものころから親友に守られてきた。
宿谷君とは、一緒に野球部に入った。ぼくがショートで、宿谷は一塁。
彼は、とにかく足が速かった。
先見性のある男で、ウナギの養殖の会社をやったり、野菜を刻んでパック詰めをする会社をやったりした。
しかし、時代よりも3歩くらい先を走ってしまうために、事業としてはうまくいかず、何度も失敗した。
今のダイヤフレッシュフーズという会社をつくって、成功した。0912092pc090923_2 

「オヤジもお袋も亡くなって親孝行できないから、その代わりだ」と言って、施設のお年寄りの喜んでもらってほしいと、新鮮な魚を送ってくれる友人の言葉がうれしい。

お寿司の日、お手年寄りたちは大喜び。
「最高、最高」とはしゃいでいる。
足が不自由でふだん歩かない人も、握っているカウンターのところまでやってきて、「カニがいい」とか、「マグロがいい」とか、注文している。
この日は、特別にお酒の好きな人はビールも飲めるようした。
血圧が高い人が一人いて、ドクターストップがかかりそうになった。
「こんな日には、いっぱい飲みてえな」と、口数が少ないおじいちゃんが言うので、
「じゃあ、一口だけ」と飲んでもらった。
「生きててよかった」と、うれしそうな笑顔がこぼれた。

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