« 諏訪中央病院 施設の特徴と業務の概要1 | トップページ | 再び、御柱祭について »

2010年1月12日 (火)

鎌田實の一日一冊(50)

『日本がもし100人の村だったら』(池上彰著、マガジンハウス)

高校生100人のうち44人はほとんど勉強しない。
ちょっと、ショック。
どこかでボタンの掛け間違いがあり、勉強がおもしろくなくなってしまったのか。
個人で負担する教育費は世界で3番目に高く、公的教育費はOECD諸国で27番目とたいへん低い。
日本はそういう国。

100人のうち73人がパソコンを持っている。
100人がカラーテレビを、91人が携帯電話を、89人がエアコンを、95人が車を持っている。
この数は、なんとなくうなづける。

若い人82人は結婚していない。100
いずれ結婚するつもりの人は89人。
できるだけ多くの人が結婚してくれるといいなあ。
結婚している人100人のうち、離婚する人は34人。
離婚も多い。
多くてもいい、離婚するということは自由ということ。

ショックなデータがある。
100世帯のうち26世帯は貯金がない。
2世帯は生活保護を受けている。
鎌田のいうウエットな資本主義が壊され、分厚い中流が崩壊している。
分厚い中流をつくることが、この国の当面の目標でなければならない。

日本は税金が少ない国。
国民所得税は、日本は23%、アメリカは26%、フランスは38%、デンマークは68%。
そうなんだ。
だから、ウエットな資本主義を行うには、経済戦略を持ちながら、どのタイミングで税金をあげていくか。
この1、2年の間に不況の脱出に成功したら、できるだけ早く、消費税の問題に取り組むべきである。

もう一つショックなデータがあった。
30年前は、収入の30%を貯蓄にあてていた。
今は2%。
貯金ができなくなっている。
多くの人は、その日暮らしになっているのだ。

60歳以上の世帯では、2500万以上の貯蓄のある世帯は3分の1を占めている。
この村の、銀行や証券会社が預かっているお金は1440兆円。
その8割を50歳以上の人が持っている。

この人たちのお金を、どう動かすかが勝負なのだ。
この人たちのお金が動き出せば、経済的な危機は脱出できる。

『世界がもし100人の村だったら』の責任者池田香代子さんが、池上彰さんとあとがき対談をしている。
ぜひ、多くの人に読んでもらいたい。

|

« 諏訪中央病院 施設の特徴と業務の概要1 | トップページ | 再び、御柱祭について »

書籍・雑誌」カテゴリの記事