『くらべない生き方』が好評
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チョコレートの注文が、1日4000個を超えている。
勢いが止まらない。
ついに7万個を突破。
と思ったら、あれよあれよという間に、9万1000個に達した。
いろいろな方々のPRのおかげで、認知度が上がってきているようだ。
毎年買ってくれているリピーターの方たちもたくさんいる。
ありがたいことです。
チョコレートの用意数は10万個。
この調子では、間もなく売り切れになってしまう。
バレンタインの義理チョコに、と思っている方、少し気が早いけれど、ホワイトデーのお返しにと考えている方はお急ぎください。
おいしく安全で、かわいい六花亭のチョコレートで、イラクの病気の子どもたちを救うことができる。
そんな哲学のある義理チョコを、大切な人にプレゼントしてみては!
チョコレートのご注文は、こちらへ。
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浅川マキさんが急死した。
67歳だった。
コンサートの旅の途中での急死。急性心不全だという。
青春時代、浅川マキの歌が好きだった。
「かもめ」や「夜が明けたら」をよく聴いた。
ライブにもよく行った。
長い髪で、黒いドレスを着て、いつも静かに、悲しみを吐き出すように歌っていた。
信州に赴任し、地域医療に奔走していたときは、浅川マキを聴くことはほとんどなかった。病院を退職して、パート医になって心の余裕ができてから、またライブハウスに行くようになった。
3年前、30年ぶりに浅川マキを聴いた。
30年前と同じだった。
うめくように悲しみを歌う。
悲しみの向こうに、もしかしたら、何かがある。そんな未来を感じさせる浅川マキだった。
これからが楽しみだと思っていたのに、もう彼女の歌を聴くことはできない。
彼女の代表作の一つに「赤い橋」というのがある。
不思議な橋がこのまちにある
渡った人はかえらない
そんな歌詞だ。
浅川マキは赤い橋を渡ってしまった。もう戻ってこられない。
大好きなミュージシャンがまた一人、赤い橋を渡ってこのまちを出て行ってしまった。
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パッチ・アダムスに会えるという話が舞い込んだ。
ウェストバージニア州で建設中の「夢の病院」を見ながら、パッチ・アダムスと新しい医療について語り合わないかという。
残念なことに、イラクでのカンファランスの予定が入っていた。
イラクに、ぼくが行かないわけにはいかない。
すでにイラクの5つの小児病院の小児がんや白血病の専門医から、参加するという多数の返事がきている。
信州大学からも2人、参加を予定し、すでに医師、看護師、事務員各1人は現地に入り、準備をはじめている。
映画『パッチ・アダムス』で知られている、本名ハンター・アダムスのことに関しては、本にも書いてきたので、ぼくにとっては夢のようなチャンスであったが、今回はお断りをした。
世の中ままならないことは多い。
またいつか、彼の夢の病院を見るチャンスはあるだろうと思っている。
9年前に出した『命があぶない 医療があぶない』(医歯薬出版)のなかで、パッチ・アダムスのことを書きながら、21世紀の命と医療のあり方について、自分なりに瀕死の医療を救う道を考えたことがあった。
パッチアダムスの言葉――。
「医療の現状が悲観的だと、医者たちの心も体も不健康になってしまう。アメリカの医者たちは自分の専門分野の研究対象として価値があるか、あるいは診療代を支払えるかどうかで病者を判別し、マニュアルどおりの事務的な治療をほどこす。
ある医療者はこう言っている。『最近、どの医者も機嫌が悪く、トゲトゲしている』。
私も45年間医者をやってきたが、医者の心がこれほどすさんでいたことはかつてない。昔と違って、医者という職業になった喜びが失われてしまったこともあって、医学部への志願者は過去5年間に25%も減ってしまった。また、この国のプライマリケアの医者のほとんどが、近頃ますます自分の仕事に嫌気がさしている、という最近の調査結果もほとんど同じ理由によるものではないだろうか」
その後、ぼくは『医療がやさしさをとりもどすとき』(医歯薬出版)という本を書いた。
しかし、医療はなかなかやさしさを取り戻せなかった。
2ヶ月前に『言葉で治療する』(朝日新聞社)という本を書いたのも、この9年間、瀕死の医療をどう救うか考え続けてきたからだ。
パッチ・アダムスもぼくと同じようなことを考えながら、ぼくよりも100倍くらい、アグレッシブに世界中を飛び回り、自分の理想の病院を作ろうとしている。
いつか彼と夢の病院、夢の医療について語りたいと思っている。
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『くらべない生き方~人生で本当に大切にするべき10のこと』(大平光代・鎌田實共著、中央公論新社)が今月10日に発売されたが、すぐに増刷が決まった。
『言葉で治療する』(朝日新聞社)も5刷となる。
さらに『いいかげんがいい』(集英社)も新たに1万部の増刷が決まり、11万部に達した。
これが、いいかげんがいいシリーズの第二弾となる、来月発売の『空気は読まない』のはずみになるといいなあと思っている。
『空気は読まない』は、2月26日、集英社より発売される。
ご期待ください。
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先日、北海道を訪ねたとき、ニセコで新雪を堪能してきた。
一昨年、スイスからイタリアへと、1日50キロを滑ったが、そのときに案内役をしてくれた斉藤栄作さんがニセコでガイドをしている。
ニセコでは時間がなかったが、2時間ほど楽しめた。
北海道で合流した奥さんは林の中の新雪を楽しんだようだ。
写真は、昨年2月、ニセコで滑ったときのもの。
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諏訪中央病院の現在を映像にまとめたもの。
シリーズ第3回(全7回)
「予防からリハビリまでの一貫した医療を担う」
・ドック健診センター
・胃内視鏡検査
・予防接種の実施
・集中治療室(ICU)
・高度治療室(HCU)
・回復期リハビリテーション病棟
・チャリティバザー
などの様子がご覧いただけます。
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夜明けによく聴いていると書いた(→こちら)、城之内ミサさんに会った。
作曲、編曲、指揮、ピアノ、歌、シンセサイザー、プログラミングを一人でやっている。
ユネスコ平和芸術家として、世界遺産トーチランコンサートをし、世界遺産を守る活動をしている。
以前のブログでも書いたが、パリオペラ座管弦楽団とは親密で、彼女が作曲した曲を音楽界の巨匠ジャン=クロード・プティが指揮をしてくれることになった。
彼女が「フォルテ」と書いたところを、プティは「シャンペンがはじけた音を出して」とオーケストラに指示をしたという。
本当に、パンとはじける音がしたという。
譜面に命が吹き込まれる、超一流のものを見ることができたという。
この話を聞いたときに、音楽は右脳で感じるのだが、実は左脳も働かせているということを実感した。
「シャンパンがはじけた音」という指示は、右脳で聞く音楽を、左脳で深めている。
ワインを味わうのは味覚であるが、たとえば、ソムリエはある種のワインを「ぬれた落ち葉」と表現する。
コーヒーの評価をするカッパーというスペシャリストは、「アンズのように」とか果物にたとえることが多い。
五感のなかの聴覚や味覚は感覚の世界であるが、実は左脳で表現することで、さらに微妙な感覚を意識することができる。
音楽を聴覚の右脳だけで聞くのではなく、光や香りを感じたり、あるいは包み込まれ、抱きしめられるような、触覚で感じたりすることはもできる。
五感の一つ一つを分化せずに、クロスオーバーをするときに、芸術は深められていくような気がする。
そんな感想を、城之内ミサさんにした。
納得、と言ってくれた。
城之内ミサさんの「追遠」は、ぼくが夜明けに聞いているせいかもしれないが、光を感じる。
太陽が昇ってくるときの光と、祈りのようなものを彼女の音楽は感じさせてくる。
今、よく聴いているのは07年のアルバム「大地の歌」。
地球のいたるところに夕日が落ち、また日が昇る。
そんな光を感じさせてくれる。
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高齢者医療制度改革会議のメンバーとなった。
1月12日に第2回の会議が行われ、長妻厚労大臣や副大臣、政務官も出席した。
2年ごとの医療費の改定の検討がはじっまている。
10年ぶりにプラス改定になる診療報酬の最後の詰めが行われているようである。
中医協のメンバーもがらっと変わった。
病院の意見もだいぶ反映されやすいようなメンバーになってきた。
救急医療や外科医療、NICUなどを大幅に見直す検討がされているという。
全体のプラスは雀の涙ほどの改定アップであるが、薬剤費の大幅の減額が行われるために、
治療行為に関しては1.55%の引き上げとなる。
これで救急や産科、小児科は元気が出くる可能性が強いと思う。
医療費は、救急医療や高度医療、緩和医療が充実するように、今後も少しずつアップしながら、天井知らずに上がり続けないようにする仕掛けが必要だと思う。
第1回の会議のときに、後期高齢者医療制度を廃止するのに賛成だが、後期高齢者医療制度にもよかったものもあるはずで、その総括もしてほしいと意見を言った。
第1回と第2回を通して発言したのは、今後10年くらいかけて、医療費をGDP比8.1%から、OECDの平均の8.9%くらいまでに少しずつアップし、OECDの平均並みになったらその後は医療費を上げないルールをつくることによって、国民負担を過重にさせないことができるのでないかということである。
後期高齢者医療制度のなかで評価すべきものがないか、もう一度考え直してみると、ひとつは、かかりつけ医制度(いわゆる「まるめ」)という、日本医師会が嫌っている制度である。
患者さんが了解すれば、かかりつけ医は月6000円という医療費のなかで、検査や治療を行う。実際の医療費がこの範囲を超えると、病院側の赤字となる。しかし、検査は毎月必要ではないし、患者さんの状態によって医療費が6000円までかからない場合がある。この場合は、病院側の黒字になる。
少し長い目でみた収支が、とんとんになればいいという、制度である。
もう一つは後期高齢者終末期相談支援料。これも実はなかなかおもしろい制度だったが、舛添前大臣はすぐに撤回をしてやめてしまった。
制度設計が悪かっただけで、骨子はいいと思う。
アンケート調査をしてみると、終末期の治療方針について話し合いを望む国民は、84.7%と高い(平成21年5月の中医協調べ)。
問題は、亡くなる2週間くらい前に聞くというタイミングである。
点滴をしますかととか、人工呼吸器につながりたいですか、というようなことを、最後の最後になって、そんな判断を人間はしないのだ。
そういう話は、かかりつけ医と患者の信頼関係があるなかで、何年か前からよく話しておき、医師がその患者さんの意思をカルテに書いておき、いざ、そうなったときにその人の意思を尊重した医療を行うことが、終末期支援ということになるのではないか。
そこに2000円なら2000円の診療報酬をつければいいとぼくは思う。
後期高齢者医療制度を止めることは賛成であるが、かかりつけ医制度と終末期相談支援料をもう一度、制度設計し直して、見直すしてもいいのではないか。
これが、医療費を天井知らずにする歯止めとして、小さな切り札になるのではないかと思っている。
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チョコレートの注文が一日4000個を超えている。
共同通信から記事の配信があった。
産経新聞では、写真つきで紹介していただいた。
北海道新聞でも書いてくれるようだ。
大竹まことのゴールデンラジオでも、大竹さんと阿川佐和子さんが繰り返し、チョコレート募金の応援メッセージを送ってくれた。
おかげさまで、電話が鳴り止まない。
たくさんの方々のお力添えで、注文総数は6万個に向かってまっしぐらである。
なんとか2月10日ごろまでに売り切れ、御礼のメッセージが出せたらうれしい。
偶然だがバレンタインの日、10人ほど日本からイラク北部のアルビルへ旅立つ。
イラクの戦争に巻き込まれた子どもや白血病の子どもたちを救いたいと思う。
チョコレートはあと4万個あります。
さらに、さらに、たくさんの方の応援をお願いいたします。
チョコレートの案内、注文はこちらをどうぞ。
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倶知安市に講演に行った。
有名な豪雪地帯という。
講演当日も、雪ががんがん降っていた。
そこで、見つけた「豪雪うどん」。
笑ってしまった。
倶知安は男爵いもの産地でもある。
その男爵いもをひいて、小麦と混ぜ合わせためんを使っている。
こんにゃくのような舌触りで、腰があるようなないような不思議な食感。
盛りで食べてもおいしい。
とろろがのって、梅干が2個ついた「豪雪田舎うどん」は、とろろと梅干というちょっと変わった取り合わせだった。
倶知安は人口1万6000。約300床の中核病院があるが、やはり地方の病院にみられる医師不足が大きな問題となっている。
しかし、何とか診療所の医師との連携を保ったり、病院に総合医療の外来をつくったり、研修医を集めようと改革をしている。
この二次医療圏の町村もかなり協力的。
医師不足からの脱却も、いずれできるのではないかと思った。
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小沢さんは、記者会見をしても何も語っていない。
1月13日の民主党愛知県連のパーティーで、小沢さんはこんなことを言っている。
「わたしどもは決して法に触れることはしたつもりはありません。それは国民も理解してくれたと思う。ですからこそ、政権をわれわれに与えてくれたのではないでしょうか」
なんともお粗末な論理矛盾ではないか。
ぼく自身は、政権交代論者なので、今回、民主党に政権交代したことはいいと思っている。
政権が失政をしたときには、国民の審判により政権交代をするということで、政治は徐々に成熟していく。
政権が変わったことは是としているが、小沢さんの発言はいただけない。
選挙で民主党に投票したのは、小沢さんの政治資金の問題を肯定したわけではないのである。
こういうまやかしのスピーチをしてはいけない。
簡単なことである。
小沢さんは、自身が紙袋に詰めてもってきたという4億円の出所をはっきりすればいいのである。
逃げ回る必要はない。
そして、胆沢ダムを受注したとき、賄賂として5000億円が動いたといわれているが、その一部が紙袋に入っていないということを、はっきり証明すればいいだけである。
説明責任は、政治家として当たり前のこと。
小沢さんに期待はしているが、悪いことをしているなら、責任ある立場にいるべきではない。
身の潔白を証明してほしい。
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バレンタインチャリティーハート展「ウィ・アート・ラブ」が、2月4日~13日、銀座で開かれる。
6人の現代芸術のアーティストが、作品の売り上げの一割を、戦争がきっかけで病気になったイラクの子どもたちのために募金してくれるという。
芸術を通して、あたたかい気持がつながり、社会貢献もする。
そんな新しいアートの形を模索するという。
JIM-NETの愛の義理チョコ募金のチョコレートも会場で販売される。
会場は、GINZA ART LAB(銀座洋菓子ウエスト2階)。
ぜひ、たくさんの方にご来場をお願いいたします。
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太陽光や風力、小水力などの自然エネルギーの自給率を調べた調査で、長野県は11%で、全国4位となった。
1位は、温泉の地熱を利用している大分県(25%)。
岩次郎小屋では、森の間伐材を圧縮したペレットを燃料とする、ペレットストーブを使っている。
屋根には、太陽光発電機をつけている。
できるだけ地球環境のことを考えて、取り付けた。
地球資源が有限である以上、サスティナビリティー(持続可能な社会)を考えていかなければならない。
いま、ぼくは『よくばらない』というタイトルの詩集をつくっているが、よくばらないで、そろそろ消費への欲望をコントロールする必要があると思う。
次の本では、「ウエットな資本主義」をテーマに書く予定だが、よくばらないことが大事と言いつつ、資本主義の基本である、お金とあたたかさをどう回していくか、それは、どんな政治システムの下ならば可能なのか、早朝のしじまのなかで思い悩む日が続いている。
とりあえず、環境についてできることをする。
そして、それを通して、経済をどう動かすか。
医療や看護などの命を支えるものを豊かにしながら、そこに雇用を生み出す。
そういうシステムを作りだすことが大事と思う。
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スキー場に行くと、3本続けて猛スピードで滑る。
1本3キロをノンストップで。
いまぼくは61歳。
シーズンインのころは愕然とした。
今まででは、スキー初日からスッと板に乗れたのに、今回は3日ほどかかってしまった。
年をとった。
筋力が落ちた。
体重が増えた。
80キロになっていた。
体重を減らそうと、すぐに思った。
言いたくないけれど、「ちょい太」ではなく「おお太」になっていたのだ。
週刊ポストのB級グルメの原稿を書くために、全国を回りながら、安くておいしいもの食べ歩いていた。
安くて、おいしいのは、たいていどんぶりものや麺類。
これが太るのである。
それだけじゃない。
昨年12月24日には、原田泰治さん家族と蓼科のみつ山というおすし屋さんで、おいしいおすしを腹いっぱい食べた。
その数日後に初スキー。
身の重さを痛感した。
その夜からカマタ流の得意のダイエットを始めた。
やせるためのダイエットではない。
大好きなスキーを続けたいためのダイエットである。
おしいものを食べたいためのダイエットである。
そのためなら、ナマケモノのぼくでも決断ができる。
約2週間たち、5.5キロやせた。
74.5キロまで落ちてきた。
ベスト体重は、73~74キロの間。
あと一息。
これからもおいしいものを食べるはずだから、ふだんは73キロくらいをキープし、太っても75キロまでにしておきたい。
この範囲にとどめておけば、おいしいものも食べられて、大好きなスキーも気持ちよくでき、なおかつ健康にもいい。
ダイエットには、軸が大事である。
大好きなものを軸として、健康づくりをすることである。
健康そのものは目的ではない。
健康になるためなら死んでもいいというギャグがあるが、死んしまっては意味がない。
自分にとって大事なもののために、健康があると考えればいいのである。
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シリーズ第2回(全7回)は、
・良質かつ高度な医療がいつでも受けられるような施設
・家族や地域と直結される医療環境
についてです。
諏訪中央病院は、「最新の医療の導入と、バランスのとれたあたたかで丁寧でやさしい医療の実践」を目標にしています。
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朝4時に起きた。
真っ暗である。
暗闇のなかでカーテンを開けながら、今日の天気をうかがう。
どうも雪ではなさそうだ。
このところ晴天が続いている。
いつものように、コーヒーを淹れる。
城之内ミサの「追遠」(ついおん)を聴く。
静謐という言葉がぴったりである。
城之内ミサは、5歳から作曲をしたという。
10代の後半からテレビドラマの音楽を作ってきたというから、すごい。
パリオペラ座管弦楽団に、自分の譜面を送って、演奏してもらったという、すごい度胸の持ち主だと思う。
そのとき、音楽界の巨匠ジャン=クロード・プティの指揮を目の当たりにした。
ジャンの指示の言葉がおもしろい。
「シャンパンがはじけた瞬間の音を出して」なんて言うらしい。
とても具体的にイメージできる。
ぼくたちは、何かを食べておいしいと思うときや、音楽や絵画などを鑑賞するとき、感覚的な右脳を使っているのはよく知られているが、同時に、言語を司る左脳も働いているという。
右脳だけではあいまいな感覚が、左脳で言葉と結びつくことで、明確な記憶となり、感動を生み出したりする。
ワインのソムリエも、「夏の晴れやかな空」などと、ワインのテイストを表現するが、爽やかとか、甘いとか、感覚的なあいまいさがぐっと具体的になってくる。
コーヒーの味や香を評価するカッパーも同じである。
言葉が、感覚や体験や感動を強化している。
言葉による治療が医療のなかにもあるように、音楽のなかにも言葉が存在しているのだと思う。
音楽は、ぼくたちの右脳に揺さぶりをかけてくれるが、ちょっとだけ言葉で表現してみる努力をしてみると、深いところで感動を味わえるのではないか。
しばらく城之内ミサの音楽を聴いていると、八ケ岳の裾野から太陽がのぼってくる時間になった。
彼女の音楽は、静かで穏やか。
だが、まさにこの太陽がのぼってくるような、希望に満ちた空気を含んでいる。
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『カフカ 田舎医者』(山村浩二、フランツ・カフカ、プチグラパブリッシング、2100円)
いま3月出版予定の本を作っている。
苦しい。
けど、おもしろい。
徐々に目を覚ます時間が早くなってしまう。
午前3時に起きて、ふと、自分が変身するとすれば、どんな変身を遂げるのかと思い、へんな詩ができた。
そんな鎌田實の変身を軸にしながら、一本の木の物語と鎌田の物語、読者の物語が重なり合うような構成にしようと思っている。
自分の思考をわかりにくい不可思議な世界に追い込むために、カフカを読み続けてきた。
99%は、簡潔でわかりやすく、メッセージ性のある文章だが、残りの1%はわかりにくい、カフカのような世界である。
散文詩のようなスタイルでまとめている。
そのなかで、山村浩二の『カフカ 田舎医者』に出合った。
カフカ的という意味では、なかなかいい絵である。
田舎医者の孤独と不安が、幻想に満ちた山村の絵とマッチする。
カフカの不可思議な世界が、見事なタッチで再現されている。
田舎医者が吹雪のなか、急患に呼ばれる。
16キロ離れた雪道を馬車でいく。
ようやく家にたどり着くと、赤い傷をもった子どもが死に掛けている。
医者は、村人たちに裸にされる。
そして、その赤い傷をふさぐように、子どもの横に座らせる。
なんだかわけがわからない不思議な話である。
ぼくは、カフカが好きだった。
カフカが小説を書いていた家を訪ねたことがある。
そこは、旧プラハ城内の、17世紀の国王ルドルフ2世の時代に錬金術師や占星術師たちが住まわされていた一郭にあった。
カフカが借りていた錬金術師の家は、天井が低く、小さな部屋だった。
カフカは、その部屋で小説を書きながら、労働者障害保険協会というところでサラリーマンをしていた。
この『田舎医者』は、1917年ごろ、33歳の作品だ。
41歳で結核で亡くなるまで、ほとんど無名だった。
自分が死んでいくことがわかったとき、友人に宛てた手紙の中でカフカは、「『田舎医者』のなかのバラの花を覚えているかい」と書いている。
この小説は、どうすることもできない最後というものがあるということを暗に示す言葉で終わっている。
山村浩二は、同名のアニメーション映画をつくっている。
その原画を、絵本にまとめたのがこの本。
山村の絵からは、新しいエネルギーをもらえように思う。
「絶望的なこの道を、私は歩くしかないのだ」
絶望的な道をどう希望へ変えていくか、これが生きるということ。
そういえば、カフカ博物館を訪ねたとき、カフカが老子の本を読んでいるのを発見した。
『変身』のなかには、タオイズムのような空気が流れている。
3月に出版するぼくの詩集のタイトルは、『よくばらない』。
タオイズムが、重なり合う。
出版をお楽しみに。
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「大竹まことのゴールデンラジオ」(文化放送)に、18日午後2時半ごろから出演する。
鎌田と大竹まこさとんとは年齢が一緒。
大竹さんのほうが若々しい。
大竹さんの歯切れのよさが大好き。
政治に対する姿勢も似ているように思う。
言いたいことを、歯に衣着せず言うところがいい。
月曜のサポーターは阿川佐和子さん。
阿川さんとは、NHKのお正月番組の「にっぽん巡礼」でご一緒した。
たいへん美しい番組だった。
イラクの病気の子どもたちに薬を送る医療支援活動の話をさせてもらおうと思っている。
たくさんの方々に協力をいただきたいと思う。
ぜひ、お聴きください。
~~☆~☆~☆~~
ラジオの力はすごい!
先日、「大沢悠里のゆうゆうワイド」に出演させてもらったが、大沢悠里さんのおかげで、チョコレート募金の注文の電話が1秒で3000本も殺到し、つながらないという事態に陥った。
そのラジオで、1月10日に発売したばかりの、大平光代さんとの共著『くらべない生き方~人生で本当に大切にしたい10のこと』(中央公論新社)のことを紹介してくれた。
おかげさまで、はやくも重版が決まった。
大沢悠里さん、ありがとう!
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1月15日は、北大医学部の前沢教授の退官記念の講演会に出る。
北大医学部臨床大講堂で、午後1時~4時。
鎌田は、地域医療の魅力を語らせてもらう。
翌16日は、倶知安市のホテル第一会館で午後1時~、鎌田の講演会がある。
北海道に行くのは、楽しみ。
函館では、イラクの子どもたちの医療支援のありがたい協力が、さらに広がっているという。
音楽ユニット「りぼん」が、ぼくたちが行っているチョコ募金に賛同してくれ、チョコ募金を歌で呼びかけるライブを行ってくれている。
チョコ募金応援ソングは、その名も「Love Peace&Chocolate」。
チョコレートを取り扱う協力店やチャリティーイベントのボランティアも募集しているようだ。
北海道の方、チョコ募金のご協力、よろしくお願いいたします。
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きょうは、三冊まとめて紹介する。
一冊目は『スローライフのために「しないこと」』(辻信一著、ポプラ社)
割り箸をできるだけ使わない。
そう、辻信一さんは、マイ箸を持ってあるいている。
ぼくは、彼の愛用の、携帯用の折りたたみ箸をいただき、使用している。
忙しいと、旅に持って行くのをつい忘れてしまう。
彼はペットボトルをできるだけもたないように、水筒を持ってあるく。
自動車を持たない。
自転車で移動する。
辻さんの「しないこと」は生き方のスタイルになっている。
テレビもできるだけ見ないようにしている。
頭を使いすぎない。
急がない、選ばない、強がらない、他人のものをほしがらない、口と耳と目を使いすぎない、先走りをしない、欲張らない、争わない・・・。
こういうの大好き。
この本のなかには、カマタの『がんばらない』や『いいかげんがいい』が取り上げられている。
ちょっと生き方のヒントになる。
『北朝鮮帰国事業―「壮大な拉致」か「追放」か』(菊池嘉晃著、中公新書)
約10万人が北朝鮮に帰国し、無残な悲劇を産んだ。
なぜ、この悲劇が起こったのか、克明に書かれている。
労作である。
ぼくはいま『空気はよまない』という本をつくっている。
日本人は、特有の空気に染まりやすい。
「地上の楽園」という宣伝にも、みんなが疑うことなく、帰国事業を進める空気に染まってしまった。
かつて勝てるわけがないことを、多くの軍のリーダーたちがわかっていながら、だれも戦争を阻止できなかった。
1980年代にバブルに突入していくときに、こんなばかなことはいつまでも続くわけがないと思いつつ、いつまでも続いたらいいと思い込んでしまった。
日本人は、空気をよもう、よもうとして、ながされてしまっている。
日本人もそろそろ「空気をよまない」生き方が大事なのではないかと思っている。
三冊目は『われら糖尿人、元気なのには理由がある―現代病を治す糖質制限食』(宮本輝、江部康二著、東洋経済新聞社)
江部先生は、昨年、諏訪中央病院のほろよい勉強会に来ていただいた。
炭水化物断ちで、糖尿病はコントロールできるというお話だった。
作家の宮本輝さんは、糖質制限食を実践し、糖尿病がよくなったという。
この本では、江部先生と対談している。
だが、2005年に江部先生が出した『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新聞社)以上の内容はなかった。
それほど新しい理論を聞き出していない。
宮本輝のファンなので、期待して読んだのだが、ちょっと残念。
宮本輝は小説のほうがいい。
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今年いただいた年賀状に、写真家の加藤静氏が撮った写真があった。
5月の連休中に行われる上社の最後のハイライト、諏訪大社の狭い参道を、御柱が怒涛のようにひかれていく。
その先頭に乗せてもらっている、ねじり鉢巻の鎌田が写っている。
ぼくが諏訪中央病院に来た年は、ちょうど御柱祭の年であった。
そして今年は7回目の御柱祭。
諏訪に来て、子どもを育てた。
その子どもたちもそれぞれ独立し、いま、子どもを育てている。
それぞれ諏訪を離れているが、家族みんなが諏訪が好き。
御柱祭のときには、子どもや孫だけでなく、子どもたちのつれあいの家族、ぼくの友人たちも大勢集まってくる。
チェルノブイリの支援活動をしている医師たちを連れてあるいた年もあった。
今年は信州大学に来ているイラクのリカア先生とそのお母さんに、御柱祭を見せてあげたいと思っている。
2月15日には、8本の御柱の曳行を担当する地区の抽選式が行われる。
それぞれの町や村では、少しでも太い御柱をひきたいと思っている。
その願をかけるために、2日未明から、上社の御柱8本をひく8地域から数百人単位の人たちが、諏訪大社にお参りをする。
それが、これから毎日続く。
諏訪市、茅野市、原村、富士見町はいよいよ燃えはじめている。
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『日本がもし100人の村だったら』(池上彰著、マガジンハウス)
高校生100人のうち44人はほとんど勉強しない。
ちょっと、ショック。
どこかでボタンの掛け間違いがあり、勉強がおもしろくなくなってしまったのか。
個人で負担する教育費は世界で3番目に高く、公的教育費はOECD諸国で27番目とたいへん低い。
日本はそういう国。
100人のうち73人がパソコンを持っている。
100人がカラーテレビを、91人が携帯電話を、89人がエアコンを、95人が車を持っている。
この数は、なんとなくうなづける。
若い人82人は結婚していない。
いずれ結婚するつもりの人は89人。
できるだけ多くの人が結婚してくれるといいなあ。
結婚している人100人のうち、離婚する人は34人。
離婚も多い。
多くてもいい、離婚するということは自由ということ。
ショックなデータがある。
100世帯のうち26世帯は貯金がない。
2世帯は生活保護を受けている。
鎌田のいうウエットな資本主義が壊され、分厚い中流が崩壊している。
分厚い中流をつくることが、この国の当面の目標でなければならない。
日本は税金が少ない国。
国民所得税は、日本は23%、アメリカは26%、フランスは38%、デンマークは68%。
そうなんだ。
だから、ウエットな資本主義を行うには、経済戦略を持ちながら、どのタイミングで税金をあげていくか。
この1、2年の間に不況の脱出に成功したら、できるだけ早く、消費税の問題に取り組むべきである。
もう一つショックなデータがあった。
30年前は、収入の30%を貯蓄にあてていた。
今は2%。
貯金ができなくなっている。
多くの人は、その日暮らしになっているのだ。
60歳以上の世帯では、2500万以上の貯蓄のある世帯は3分の1を占めている。
この村の、銀行や証券会社が預かっているお金は1440兆円。
その8割を50歳以上の人が持っている。
この人たちのお金を、どう動かすかが勝負なのだ。
この人たちのお金が動き出せば、経済的な危機は脱出できる。
『世界がもし100人の村だったら』の責任者池田香代子さんが、池上彰さんとあとがき対談をしている。
ぜひ、多くの人に読んでもらいたい。
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1月13日、TBSラジオ、大沢悠里のゆうゆうワイドに出演する。
久々に、出させてもらう。
昨年もバレンタインチョコレートの応援をしていただき、たいへんな反響をいただいた。
大沢さんはいつもあったかい。
ぜひ、聴いてください。
先日、テレビ朝日の「山本晋也の人間一滴」で、ぼくの『言葉で治療する』(朝日新聞社)が取り上げられた。
この放送をきっかけに、いままでじわじわ3刷まで売れていた『言葉で治療する』が、全国の書店から注文が入り、4刷が決まった。
鎌田實テイストとしては今までの本とは毛色が違うが、たんさんの方々の生の声を載せるという手法がリアリティーを増したのだと思う。
今、日本の医療現場では医師や看護師たちがたいへん疲れている。
その環境を変え、あたたかな医療を望んでいる国民の期待にこたえなければならない。
そんなことを繰り返し語っている。
医師にとっても看護師にとっても、患者にとっても家族にとっても、救われるような日本の医療をつくらなければならないと思う。
12日は、後期高齢者医療制度をやめた後の、日本の医療制度を検討する国の会議に出席する。
なんとか正解を導き出したいと思っている。
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いつもより早く起きた。
目覚まし時計を見ると3時。
目覚ましをかけたことはない。
自然に起きるままである。
起きて何をするわけではない。
とにかく、目が覚めたら、ベッドから這い出る。
なんだかとても静か。
岩次郎小屋の周りに音がないことに気がついた。
カーテンを開ける。
暗闇の中に、白いものが落ちてくる。
雪。
夜中から雪になっていたのだ。
コーヒーを沸かす。
CDをかける。
今日は、小室等さんと娘のゆいさんのユニット「ラニアップ」
「おまけ」という意味らしい。
CDのタイトルは「ここ」。
小室等やこむろゆいの作詞作曲にまじって、
谷川俊太郎や中原中也、石川啄木などの詩に曲がのっている。
親子の静かなハーモニー。
親子だからか、どこにもでしゃばったところがない。
静かに、爽やかに、とつとつと、つぶやくように。
エンディングの曲が流れてきた。
「ここ、エピローグ」
静かな夜明け前のこんな時間に、
小室等の曲を聞いている人は、世界でたった一人かもしれない。
なんて思いながら、コーヒーを飲んだ。
外は雪。
いま、ぼくはここにいる。
雪の岩次郎小屋に。
小室等さんとは2回、チェルノブイリの旅をした。
小室等さんの作った「ベラルーシの少女」というシングル版のCDは、とてもすばらしい。
ぜひ、聴いてみてください。
お問い合わせはJCFへ。
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柳田邦夫さんに触発されて、絵本を読むようになった。
最近、読んだおもしろい絵本は『漂流物』」(デイヴィッド・ウィーズナー、BL出版)。
いっさい言葉がない。
冒険心をもった子ども時代を思い出す。
夢とか、新しい物語とか、海の底とか。
すてきな絵で楽しくなる。
2007年、コールデコット賞を受賞している。
『ちへいせんのみえるところ』(長新太、ビリケン出版)
長新太の作風はシンプルで豪快。
すべてのむだを省いている。
物事は簡単に考えればいいんだと、元気をくれる本である。
この本はいつか、孫にプレゼントしようと思っている。
絵が美しくておしゃれな絵本の代表は『せんをたどって』(ローラー・ユンクヴィスト、講談社)。
線をたどって海や空や森へ行く。
おしゃれな発想である。
うきうきして楽しくなる。
現代感覚もいっぱい。
この絵本は、2009年クリスマスに、3人の孫のうちの1人に贈った。
生まれたばかりの孫、小さな赤ちゃんにプレゼントしたのは『あかまるちゃん』(デビッド・A・カーター、大日本絵画)。
飛び出す絵本である。
子どもがびっくりし、にこにこしそう。
もう一人、小さな女の子にプレゼントしたのは、『ロンバーちゃんとふうせん』(酒井駒子、白泉社)。
昔から、酒井駒子のかく女の子が好き。
世の中にはいい絵本がいっぱいある。
大人が読んでも、もちろん楽しい。
柳田邦夫さんからは、『100万回生きたねこ』や『わすれられないおくりもの』『ヤクーバとライオン』など、おもしろい絵本を教えてもらった。
柳田さんからは、人生を考える大人が読む重い絵本を教えていただいた。
ぼくはどちらかというと、軽くてあたたかくなるような絵本が好き。
好きな絵本を1、2冊、大人になっても持ち続けているというのも、おしゃれな生き方かもしれない。
写真は、以前、柳田邦夫さんが講演のため、諏訪中央病院にきてくださったとき、屋上テラスで撮ったもの。
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子供の習い事.net「シリーズ・この人に聞く」に、鎌田のインタビューがアップされている。
http://www.kodomononaraigoto.net/default.php
算数が得意だったカマタ少年。
国語や英語が全然できなかったカマタ少年。
1年に5冊も本をつくるようになるとは、自分でも想像できなかった。
国語も英語も点数は悪かったが、本をよく読んだ。
そんな子ども時代のことが書かれている。
ぜひ、ご覧ください。
写真は、レレレのレ~の、カマタ。
バカボンのレレレのおじさんみたいなおもしろい写真が見つかりました。
天才バカボンをかいた、天才・赤塚不二夫も亡くなってしまいました。残念です。
背景の庭の曲がりくねった道は、ぼくのデザイン。
できるだけ曲線を使うようにしています。
人間が曲がっているもので。
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1986年のチェルノブイリ原子力発電所爆発事故により、深刻な被害が起こった。
日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)は1991年の設立以来、子どもたちに医療救援を続けてきた。
このところベトカという高汚染地区を力を入れて支援している。
そのベトカの地区病院の病院長ナージャ先生をJCFの講演会に招くことになりそうだ。
理事会では許可してもらった。
ベトカは、原発事故から24年たった今も、60~100キュリー以上の高い汚染が残っている。
各地の路上調査では、町の中心部はだいじょうぶだと認定されていたが、2009年の調査では町の中心部もかなり放射能汚染されていることがわかった。
シンチレーションボディカウンターで調べると、新たな体内被曝者が人口2万人の町で、50~60人発生している。
今後も子どもたちの健康被害について注視したいと思っている。
講演会は4月25日の予定。JCF京都が中心になってすすめている。
さらに、JCFはJIM-NETと連携をとって、イラクの子どもの医療支援も行っていく。
今、3人の事務局員がいる。
1人はアラビア語に堪能な加藤青年で、ヨルダンの事務局にいる。
加藤君はいまアルビルに入り、来月のJIM-NET会議の準備をしてくれている。
JCFは今年も元気。
今後ともご支援、よろしくお願いいたします。
JCFの活動はこちらをご覧ください→http://www.jca.apc.org/jcf/home.html
写真は、ヨルダンに脱出したイラクの子どもを、鎌田が診察しているところ。
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とにかくスキーが楽しい。
新雪を目指して、滑りにいってしまう。
もう少し元気だったころは、志賀高原の40度近い「壁」といわれていた、鹿落としや熊落としの新雪に入った。
ここはもう、滑るというより、落ちていく感じ。
雪煙で前が見えなくなり、雪と一体になる。
楽しくて、楽しくてしかたない。
写真は、9年ほど前の蓼科での様子。ゲレンデから離れて、バージンスノーにシュプールを描いた。
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『カラスのお宅拝見!』(宮崎学、新樹社)
宮崎学は、日本を代表する動物写真家。
北海道から九州まで、カラスの巣をみてあるいた。
カラスは、どんなところに巣をつくるのかわかる。
カラスは、人に頼って生きている。
人が移動するルートを追って移動してきたというのが、宮崎仮説である。
カラスの卵には、緑色がかったものと、青色がかったものがあるという。
長野県には、塩の道という道が通っている。
新潟県の糸魚川~松本の千国街道と、愛知県の岡崎~塩尻の三州街道である。
このルート沿いには緑色の卵が多い。
それに比べて、静岡県では美しいブルー系の卵が多かったという。
カラスのDNAが関係しているという仮説である。
卵だけでなく、巣もそれぞれのお国柄が表れている。
克明に、巣の素材も調べている。
それにしても、宮崎は、カラスのお宅をどうやって拝見したのか。
木に登ってみたのかわからないが、巣をみつめるというのはおもしろい試みだ。
『けもの道』(偕成社)という写真集は、すぐれた感覚のものだった。
ぼくがもっとも好きなのは『フクロウ』(平凡社)。
彼の代表作ではないだうか。
宮崎学の、一本の柿の木の四季を撮った写真が、諏訪中央病院のリハビリ室の前に展示してある。
一見すると、柿の木の写真だが、よく見るとと、狐やウサギが出てきている。
機会があれば、ぜひ、この病院の写真もみてください。
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明日6日は、テレビ朝日のワイドスクランブル「山本晋也の人間一滴」に出演する。
多少、時間はずれるかもしれないが、昼の12時15分ころから15分間ほどである。
『言葉で治療する』(朝日新聞社)のことがが取り上げられる。
読売新聞社の医療サイト「ヨミドクター」では、毎週水曜、ブログを連載している。
次の更新は明日6日。
「行動変容」にこだわっている。
健康になるには行動変容が大事。
生き方も、行動変容がポイント。
お金がなくてつらい、病気があった苦しいというような、一方向の関係から、お金はないけれど幸せだとか、病気があってもちょっと楽しいというような生き方に自らを変えていくヒントをお送りしたいと思っている。
ヨミドクターをぜひ、お読みください↓
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本日発売の週刊ポストで、新連載「じたばたしない 食う・見る・浸る」がスタートする。
時代が悪いからといって、心をしゅんとさせてはいけない。
じたばたせずに、食べることやいい景色をみること、いい映画、いい小説の感動にひたることが大切。
毎週、楽しい連載をお届けしたいと思っている。
月刊「ゆうゆう」2月号(現在発売中)では、肩慣らしならぬ、心のウォーミングアップが必要という、鎌田の持論を展開している。
過酷な状況をどう乗り越えるか、心と体のウォーミングアップの方法が書かれている。
どうぞ、ご覧ください。
写真は、ドイツ平和村で手足に障害を負った子どもたちに囲まれて。
3度、ドイツ平和村を訪ねた。
いつか日本でも、世界の傷ついた子どもたちを救えるような病院ができないか、と夢をもっている。
なかなか夢は実現できない。でも、ぼくはあきらめていません。
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お正月はスキー三昧。
心と体はつながっている。
だから、体をよく動かしている。
体を動かしていると、デスクワークもはかどる。
「よくばらない」というタイトルで、詩集をつくっている。
2月26日発売の『空気はよまない』(集英社)の原稿推敲も大詰め、最終段階に来ている。
今年もカマタは、本をたくさん書く予定。
1月10日には、大平光代さんとの『くらべない』という本が発売される。
こちららはすでに校了していて、本屋に並ぶのを待つだけ。
5月には、日経新聞社から新書を頼まれている。
この数年言い続けている「ウエットな資本主義」について書いて欲しいと頼まれている。
月刊「日経マネー」が好評のようだ。
「資本主義なんかクソくらえ」と思っていた鎌田が、資本主義を選ぶしかないのなら、どんな資本主義がいいのか考えている。
いまさら社会民主主義なんて、心ときめかない。
国民の心をときめかさないといけない。それがウエットな資本主義。
貿易立国として強い国でありながら、国家の下半身にあたたかな血を通わせるような国つくりを提言している。
『いいかげんがいい』(集英社)が10万部を突破。
カマタの本をシリーズ化をしようという話が出てきている。
2月発売の『空気はよまない』というのは、そのシリーズの第2弾になる。
うまくいけば秋には、「われわれはどこから来たのか」というテーマで一冊つくるので、その準備をはじめている。
今年も新しい時代の感覚を吸収しながら、半歩先の生き方や国家のあり方を提言できたらいいなと思っている。
写真は、かつてオンボロ病院だった諏訪中央病院に赴任したころの青年医師カマタ。
髪の毛は黒々している。
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今年はなんといっても、7年に1度の御柱祭の年。
今から燃えている。
右の写真は、ぼくたち諏訪大社の氏子がひく上社の御柱が、木落としの坂の上に立ち上がったところ。
この角のようなところに人が乗って、木落としをする。
角が折れて、大怪我をする場合もある。
丸太に引き込まれて亡くなる人もいる。
バカな祭りだ思いながらも、次回まで御柱には乗れないと思うと、ついつい無理をしてしまう。
7年に1度だから、町をあげて燃えてしまう。
祭りのときは、御柱街道にある並ぶ家々は、客でごったがえす。
御柱貯金というのが、そのお金でご馳走をし、客を接待するのである。
寄っていけ! 飲んでいけ! 食べていけ!
この御柱街道を歩くと、次から次へと声がかかり、大騒ぎである。
一軒でご馳走になって出てくると、隣の家が待っている。
4月の2~4日の3日間は山出しといい、八ケ岳から町の中まで、人力で木を引いてくる。
木落としがそのハイライトである。
原天明さんという有名な俳人が茅野にいる。
ぼくの患者さんでもある。
原天明さんは、諏訪中央病院のロビーにロダンの彫刻を寄付してくれている。
彼の俳句がいい。
神の木を神の子がひく御柱
上社の里曳きは、5月2~4日。
下の写真は、諏訪大社に奉納して、建御柱をするハイライトのところ。
鎌田は御柱の先頭に立たせてもらった。
めどでこに乗るためには、脚力と腹筋が大事。
とにかく、体を鍛えて、ちゃんとした格好をして来いと、いろんな人たちから声をかけられている。
今から、御柱に向けて、足腰を鍛えておきたい。
今年も経済は厳しい状況が続くと思う。
しかし、萎縮しないで、みんなでわいわいがやがや楽しみたい。
こんなときこそ、心をあたためて、お金を回転させたいものである。
祭というのは、とてもいい仕掛けである。
毎年はこんな祭をやっていると疲弊してしまうが、7年に1度だからこそ、みんながどんと盛り上がれる。
そうやっても町を活性化させ、経済を動かし、人と人のつながりをつくっていく。
日本中をそんな年にしたいと思っている。
今夜、午後8時~NHKBshiの「にっぽん巡礼」に出演する。
すばらしい番組なので、ぜひ、ご覧ください。
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今年の、ぼくの年賀状です。(クリックすると大きくお覧いただけます)
院長時代は1000枚近かった年賀状も、だいぶ減って600枚。
今年は、イラク北部に支援の拠点をつくり、戦争で傷ついた子どもたちの医療支援にますます力を入れていきたいと思っている。
2月17、18日には、北イラクのアルビルでカンファランスを開く予定。
イラクのドクターは30人ほど、参加を希望している。
日本からは10人ほどが参加する。
アルビルにいるJCFの加藤君と、ドクター井下、ナース川添が現地で、すでにカンファランスの準備を進めてくれている。
サブリーンは、がんになって右目を摘出した。
11歳から、彼女をサポートしてきた。
はじめは人生をあきらめているような顔をしていたが、次第に輝いて、美しい女の子になっていった。
妹と撮ったこの写真は、とてもいい表情をしている。
昨年10月、15歳で亡くなったとき、その顔はおだやかで美しかった。
サブリーンは、自分は死ぬけれど、ほかの子どもたちを助けてほしいという言葉を遺していった。
ぼくたちは、そのサブリーンの気持ちを、何とかかなえなければならない。
年賀状にも、バレンタインのチョコレートのことを書いた。
ぜひ、たくさんの方にご支援をお願いしたいと思っています。
昨年末、イラク戦争についての意見書を政府に進上した。
イラク戦争によって、たくさんの子どもたちが被害に遭った。
本当にイラク戦争は意味があったのか。
イギリスは検証を始めようとしている。
もともとフランスはイラク戦争について、客観的なポジションをとっている。
日本は日本の検証をしないといけないと思う。
透明性の高い、自立した国・日本に、今年こそなれるといいと思っている。
本年もよろしくお願いいたします。
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