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2010年1月 5日 (火)

鎌田實の一日一冊(49)

『カラスのお宅拝見!』(宮崎学、新樹社)

宮崎学は、日本を代表する動物写真家。
北海道から九州まで、カラスの巣をみてあるいた。Photo_7
カラスは、どんなところに巣をつくるのかわかる。

カラスは、人に頼って生きている。
人が移動するルートを追って移動してきたというのが、宮崎仮説である。

カラスの卵には、緑色がかったものと、青色がかったものがあるという。
長野県には、塩の道という道が通っている。
新潟県の糸魚川~松本の千国街道と、愛知県の岡崎~塩尻の三州街道である。
このルート沿いには緑色の卵が多い。
それに比べて、静岡県では美しいブルー系の卵が多かったという。
カラスのDNAが関係しているという仮説である。

卵だけでなく、巣もそれぞれのお国柄が表れている。
克明に、巣の素材も調べている。

それにしても、宮崎は、カラスのお宅をどうやって拝見したのか。
木に登ってみたのかわからないが、巣をみつめるというのはおもしろい試みだ。

Photo_8 『けもの道』(偕成社)という写真集は、すぐれた感覚のものだった。
ぼくがもっとも好きなのは『フクロウ』(平凡社)。
彼の代表作ではないだうか。

宮崎学の、一本の柿の木の四季を撮った写真が、諏訪中央病院のリハビリ室の前に展示してある。
一見すると、柿の木の写真だが、よく見るとと、狐やウサギが出てきている。
機会があれば、ぜひ、この病院の写真もみてください。

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