アルビルから⑤
~カンファランス2日目(後半)~
マーゼン医師が日本での3週間の研修の報告をした。
じつに日本の文化もよく勉強し、
「信州大学やJCFによくしてもらった」と、あたたかな空気のなかで報告された。
ジャイカの4年間の教育プログラムで信州大学に来ているリカア先生も、この1年間の成果を発表した。
世界ではじめてといわれているFTAカードを利用した小児白血病患者の遺伝子解析を行っている。
その経過とこれまでの結果が報告され、今後もイラクの白血病の病院が協力しあうことが約束された。
あと一年後には、世界的な研究がまとまるかもしれない。
楽しみである。
リカア先生のふるさとはモスルである。
モスルは、今もテロが多く危険。自分は信州大学に来ていなかったら、死んでいたかもしれないという。
ふるさとのモスルには、大切な自分の患者さんがいる。
小児科医にとって、患者は自分の子どものようだ。
「私は自分の患者を愛してきました。命がけで治療してきました」
モスルを去ったことに関して、申し訳ないと思っているが、何度もテロリストから脅迫され、3人の医師が家を燃やされ、1人は誘拐され行方がわからなくなったという現実をみて、出るしかないという思いに至ったという。
自分の家も、そのままにして出てきた。
ふるさとは好きだが、今は希望がもてないという。
今はしっかり勉強して、自分に与えられた課題に取り組んでいきたいという。
「それが今の私の夢」という。
トップの写真は、リカア先生に、ジャナハ先生が質問をしているところ。
2日間のカンファレンスの終わりに、JCFやJIM-NETからそれぞの病院やドクターたちにプレゼントがわたされた。
次回の10回会議の開催地は、アルビルか、イスタンブール、ドバイ、バスラという案が出された。
全員が、次回までにさらに自分の病院のクオリティーを上げると誓い合い、カンファランスは閉会した。
【おまけ】
カンファランスはホテルで行われた。
昼食は、ビュッフェスタイルだったが、なかなかおいしかった。
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