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2010年2月 3日 (水)

日本一の馬刺し屋さん閉店

ぼくがエッセイにたびたび書いてきた上條食堂が、この2月で閉店になる。
おやじさんはもうすぐ85歳。
何度も引退しかかったが、たくさんの上條食堂ファンが「やめないでくれ」という大合唱で引き止めてきた。
あとを継ぐ者がいないため、年齢を考えて、おやじさんはついに重大決意を下した。
うわさを聞きつけて、東京や大阪から予約の電話がひっきりなしという。

ここの馬刺しは赤身で実にうまい。
馬刺しの次は、ぼくは馬のステーキを食べる。
牛ステーキよりも、コレステロールが少なく、グリコーゲンが豊富。少し焼くとうまみが出でくる。
おやじさん得意の鯉のまる煮は、形を崩さず、骨まで食べられるほど柔らかい。
ここのインゲンをショウガしょうゆで炒めたのもおいしい。
キノコやハチノコなど、地元ならではものもふんだん。
最後は、馬のすき焼きでしめくくる。
馬つくしである。

おやじさんとは36年の付き合いである。
繰り返し腸閉塞を起こした。
8回目の手術は、当時、若手医師の尊敬の的だった高田先生が執刀した。
この先生がいるから、青年医師が諏訪中央病院に集まってきた。
高田先生は画期的な手術を行い、おやじさんはそれ以降、腸閉塞に悩まされることはなくなった。
その後も、大動脈瘤や心筋梗塞など、何回か瀬戸際まで行ったが、奇跡的にうまく治り、上條食堂という、いかにもつぶれそうな料理屋で、安くておいしい馬の料理を出してくれていた。

個性的な店が、また一軒なくなるのは悲しい。
おやじさんから、どうしてももう一度先生に食べてもらいたい、2月中に予約を、と言われた。
2月はイラクに行く予定。
この間もバクダッドで大きなテロがあったと聞く。
相変わらず危険な状態が続いている。
3月に選挙があるため、イラクはいらいらしている。
イラクの5つの病院と、カンファランスをする。
久しぶりに大きなカンファランスである。

その前後で、どうしても上條食堂にいかなくちゃ、と思っている。

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