アルビルから③
~固い絆に結ばれたカンファランス~
2日間のカンファランスが始まった。
イラクの6つの病院から、小児白血病の専門の医師たちが集まってきた。
保健省やジャイカなどからもオブサーバーの参加があった。
カンファランスは、今回で9回目。
2004年6月にジャナン先生が「助けてほしい」と日本にやってきたのをきっかけに、8月、急きょ、第一回のJIM-NET会議をアンマンで開いた。
それ以来、お互いの友情を深め合ってきた。
久々に顔を合わせ、お互いの無事を喜び合った。
カンファランスのメンバーは、イラクを代表する小児科のドクターたち。
シーア派もいれば、スンニ派もいる。
クリスチャンもいる。
アラブ人もいれば、クルディスタンもいる。
だが、まったく違和感を感じさせない。
自由に自分の意見を言い、批判もする。
お互いの意見を尊重しあって、オープンマインドなカンファランスに育ってきた。
逆境のなかで生き抜いてきた自信と、子どもの命を助けたいという思いが、見事な会に成長させたと思う。
冒頭に、鎌田が開会のあいさつをした。
今日は、6つの病院の現況の報告が行われた。
バスラやバグダッドの病院では、白血病の初期治療の死亡率が14%から4%に改善している。
ナナカリ病院ではまだ20%と高いが、今回のカンファランスの事務局を担当してくれた井下先生と、感染症対策を指導してくれている川添看護師によって、1~2年のうちに治療成績は向上していくと思う。
川添看護師の感染症対策の報告も行われた。
バスラやバグダッドの病院からも、川添看護師に来てほしいという要請があるようだ。
明日は、効率的な支援はどうあるべきか、検討会が行われる。
朝9時から夜10時まで、固い絆に結ばれたカンファランスは続く。
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