1968
夜明けに、亡き父親とコーヒーを分け合って飲んだ。
今日は加藤登紀子さんの「1968」というCDアルバムを聴いている。
2月に出した『空気は読まない』(集英社)は、1968年と関係が深い。
1968年、「プラハの春」による民主化運動は失敗し、たくさんの若者が傷ついた。
自由のない国の若者たちは、胸のレントゲンを使って、ソノシートのようにした「骸骨レコード」で、ビートルズを聴いていたという。
当時、禁書とされたソルジェニーツィンの『収容所群島』をフイルムに収めて、チョコレートの缶の中に隠し、読み続けた。
そんな時代。
そして、20年後の1988年、チェコの音楽家ヴラダン・コチは徴兵を拒否して、政府につかまり牢獄に入った。1年後チェコの民主化が成功し、コチは自由を得ることができた。
そんな1968にかかわる物語が、『空気は読まない』に登場する。
加藤登紀子は、1968は「私の人生のスタート」と書いている。
「1968 世界の若者が同じ呼吸をした奇跡の年
1968 テレビ冷蔵庫、電気洗濯機が日本中に行き渡りはじめた
1968 たくさんの人々が農村を出た
1968 若者が自分の言葉を持ち始めた
1968 2009年の現実を予感していた
1968 どんなときもかっこよく自分を生きろと今も言い続けている」
このアルバムのなかに「美しい昔」という歌がある。
ベトナム戦争のときに歌われたチン・コン・ソンの名曲を、加藤登紀子さんが切々と歌っている。
できたら、たくさんの人に聴いてもらいたい。
写真は、「鎌田實 いのちの対話」で、ぼくの朗読の伴奏をしてくれた加藤登紀子さん
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