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2010年3月 1日 (月)

新しい農業

愛知県の安城市に講演に行った。
安城市は、日本のデンマークといわれているらしい。
碧南美人という高級品のニンジンをつくっている。糖度が高く、生でもおいしく食べられる。
玉ねぎなども自慢だという。
イチジク農家も多い。

農業のスタイルを大規模農業に転換しはじめている。
5~6人で協働経営をしながら、大型の農業器具を入れて効率を高め、営農というシステムを取り入れた。
年収1000万円クラスの農家もではじめているという。
若者たちも魅力を感じて、農業後継者になりたいという人も増えた。

手を泥だらけにするという農業のイメージとはちょっと違う。
若者たちが、音楽を聞きながら、大型トラクターなどを動かしている。
仕事の後は、若者たちが集まって情報交換をしながら、余暇を楽しんだり、勉強したりしている。

今、全国的に農家は高齢化し、後継者が不足している。
4~5年田んぼを放っておくと、その後、手入れをしても、なかなかすぐには田んぼとして復興しない。
だから、できるだけすぐにバトンタッチすることが大事なのだ。

この碧南地方では、荒れた遊休地はほとんどないという。
農家が高齢化して農地を耕せなくなったら、営農の人たちが土地を借り受けて、有効に利用している。
こうした取り組みは、日本の一つのモデルになるのではないかと思った。

農業をやりつづけることによって、地域の自然を守り、安全で安心な食を守ることができるれば、いい風が吹き始める。
こういう不況のときだからこそ、こういう新しい農業の試みが大事なのではないかと思う。

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