鎌田劇場へようこそ!(30)「海の沈黙」
ヌーベルバーグの魁となるような映画をみた。
「海の沈黙」
ジャン=ピエール・メルヴィル監督。
1941年、ドイツに占領されたフランス。
おじとめいが静かに生活する家に、ドイツ人将校がやってくる。
ドイツ人将校はめいに好意をもち、毎晩、熱心に話しかけるが、2人は一切しゃべろうとしない。
レジスタンスをしているのである。
会話は一切交わされないが、徐々に3人の関係が複雑に変わりはじめていく。
芸術を愛すドイツ人将校は、ほかの将校と違い、フランスを徹底的にたたきのめそうとしない。
ドイツとフランスが、文化の「結婚」をできればいいと思っている。
ほかの将校たちがフランスを徹底的につぶそうとするとき、この将校はやりきれない気持ちになっていく。
フランスの文学や音楽が好きなのである。
彼は、前線に立つ決意をする。
最後の晩、めいに、さらならを言う。
はじめて、めいが言葉を発する。
「さよなら」
めいの心は明らかに動いているが、レジスタンスは続いている。
3人の心理劇である。
それぞれの心理が、見事に表現されている。
いい映画である。
デジタルリマスター版である。
岩波ホールで上映していたが、今後、各地の映画館でも上映の予定があるようだ。
チャンスがあったら、ぜひ、みてほしい。
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