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2010年4月

2010年4月30日 (金)

鎌田劇場へようこそ!

今日は、GWにオススメの映画を2本紹介する。

「プレシャス」は、アカデミー賞助演女優賞受賞、ゴールデングローブ賞助演女優賞など、95の各国の映画賞で受賞している。
16歳の少女が、これでもか、これでもかというような不幸に遭遇する。

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「学校なんて行かなくていい」と母親から虐待され、学校にも満足に行けなかった。
12歳で父にレイプされ、子どもができる。
数学はよくできるといわれるが、字が読めない、字が書けない。
さらにいくつものの不幸が押し寄せてくる。
どんな不幸かは、映画を見てのお楽しみなので、言わない。
これでもか、これでもかという不幸が押し寄せるなかで、彼女は「私の幸せは私が見つける」と、健気に現実から目をそらさず、しっかりと歩を踏み出していく。
感動的な映画である。
原作はサファイアというハーレムに住んでいた詩人が書いた小説。
映画の台詞がまるで詩のように美しい。

主人公はガボリー・シディベという無名の新人である。
大学で心理学を学びながら、電話オペレーターの仕事をしているときに、声をかけられた。圧倒的な存在感がある。
どんな困難でも人間は生きられると思わせてくれるような、元気が出る映画。
「プレシャス」はたいへんおススメである。

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「オーケストラ!」

大々オススメ。
ソ連のブレジネフ時代に不遇にあう音楽家たちの物語である。30年前、ボリショイ交響楽団の主席指揮者から降ろされて、掃除夫をさせられている男が、よぼよぼになっている昔の仲間を集めて、パリでコンサートをする。

この偽ボリショイ交響楽団は、なんと、一度も音合わせをせずに本番を迎える。
はじめは音が合わないが、メラニー・ロラン演じるバイオリンのソリストが弾きはじめると、かつての名手たちが音を取り戻していく。
このへんはなんともお手軽である。
お手軽なのに、不思議と感動を増していく。
チャイコフスキーのバイオリン交響曲が映画を盛り上げていく。
世界的に有名なソリストの出生の秘密が、交響曲がクライマックスを迎えるとともに、解けていく。

お手軽に笑わされ、その後にわあっと感動が押し寄せてきて、最後は万来の拍手。
Photo_6なんとも脇の甘い映画なのに、心が揺さぶられてしまうのである。
大々オススメ。
難しい映画が好きなカマタくんだが、久しぶりに屈折しない、直球勝負の「オーケストラ」は、いと、オカシ。
そこはかとなく悲しく、なのにメチャクチャ、おもしろい。

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2010年4月29日 (木)

明日、大竹まことのゴールデンラジオ出演

明日30日午後2時25分~、文化放送「大竹まことのゴールデンラジオ」に出演する。
この番組は、言いたいことが言えて大好き。
大竹さんとは同い年で、感覚がちょっと似ているところがある。
新刊『よくばらない』を読んでもらおうと思っている。
どんなふうに料理されるか、楽しみである。
ぜひ、お聞きください。

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鎌田劇場へようこそ!(31)「17歳の肖像」

ゴールデンウィークおすすめの映画は、「17歳の肖像」。
1961年のロンドンを舞台。魅力的な16歳の女の子が人生に迷い傷つきながら、少しずつ大人なっていく。

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辛口女性ジャーナリストの自伝を映画化している。
切ない。甘酸っぱい。健気で可憐。人生を踏み外しそうになる。オックスフォード大学の受験を目指していた16歳が、高校を退学する。すべて失いかかったところから、もう一度強く生きていくヒロイン。心があたたかくなる。

演技派新人キャリー・マリガンがみずみずしくすてき。
1960年代の音楽がいい。ジュリエット・グレコのシャンソンや時代の空気を持ったポップスなどがふんだんに使われている。2

町を走っている車がなんともノスタルジックで、一つのいい時代だったなあと思わせてくれる。

若い人が見ても、中年の人がみても、老齢期にさしかかった人がみても、青春というものの大切さがみえてくる感動的な映画である。
質の高い映画である。
大々オススメである。

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2010年4月28日 (水)

ナジェージダ先生、来日

チェルノブイリ原発事故が起こったのは1986年4月26日。
もう24年たったが、ベトカではまだ60~100キュリー以上の汚染が残っている。
先日、ベトカの地区病院のナジェージダ先生が来日した。
松本と京都で報告会をするため、信州大学と諏訪中央病院で研修をするためである。
ナジェージダ先生は、放射能汚染地域に赴任して20年が経つ。
56人の医師と450人のスタッフが働く地区病院の院長である。
産婦人科医なので、諏訪中央病院の産婦人科や小児科の病棟をみてもらった。
たいへん感激をしていた。
ベトカの地区病院にも、助産師というシステムはあるようである。
産婦人科医は2人いて、年150例の出産に立ち会っているという。

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ナジェージダ先生と、長いつきあいになる通訳ネコちゃんを、「海鮮厨房」というレストランにお連れした。
諏訪インターから車で5分ほどのところにある。
ここは、うちの子どもたちがお気に入りで、新鮮な魚とマーボ豆腐がおいしいので、家族でよく行く。

和食を味わってもらおうと、てんぷらを頼んだ。
てんぷらは好評だった。
ナジェージダ先生はすしは初めてという。
「オーチン、フクースナー」
と繰り返し言う。
オーチン=とても、フクースナー=おいしいという意味だそうだ。
なんと、まぐろやトロのにぎりなど、どれもおいしいという。

お店には前日から、ベラルーシからお客さんを連れていくと連絡していたら、なんとお店が鯛の塩焼きを用意してくれた。
感激である。
結婚式や子どもが生まれたとき、大切なお客さんが来たときには、オメデタイといって出される料理だと説明すると、海のない国から来たナジェージダ先生は、感動して食べてくれた。

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8月には、チェルノブイリの石棺がどうなったかを見に行く。
同時に、ベトカ地区の59の埋葬の村を調査したり、15の地区診療所をみてまわると、ナジェージダ先生と約束している。
まだ、新規の内部被爆者が毎年、40~50人出ているという。
JCFではしばらくの間、このベトカ市の放射能汚染地域を支援していこうと思っている。
8月には現地に飛んで、報告したいと思う。お楽しみに。

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2010年4月27日 (火)

普天間問題

徳之島で基地移設反対の集会が開かれた。
以前、このブログにも書いたが、この問題は前政権でも、方向を決めることができなかった問題。
しかも決まった後も反対が厳しく、新しい基地の建設はいっこうに進んでいなかった。
新政権は、税制、教育、子育て、防衛の問題と、半年で何から何まで一気に変えるなんて無理。
特に防衛の問題は外交がかかわるので、短期間で方針を180度転換するなんて、そうは簡単にいかない。
いつまでもマニフェストにこだわらないほうがいい。
国民は政権交代を支持したのだから、やれる範囲のことを丁寧にやっていけばいい。
政権をとって、財政の厳しさがわかったのだから、身の丈にあった提案をしていくことが大事である。
特に今回の普天間移設問題は、旧政権が行った外交だと批判しながらも、沖縄県民と米軍との話し合いをすすめながら、徐々に他県や外国にもっていくことを前向きにゆっくりと考えていくというのが、いちばんの得策だったと思う。
本当にアメリカに出ていってもらいたいならば、時間をかけて丁寧に説得していくしかない。

だが、鳩山さんは火中の栗に手を出してしまった。
今のままでは、沖縄に入れば火達磨になるが、それでも沖縄に赴いて、誠実に一生懸命汗をかく。
いい結果が得られないとしても、今のまま東京にいて「努力します」といっていても、政治は動かない。国民の心も動かない。
どちらにしても、鳩山政権は子どもじみていると思う。

鳩山さんは5月末までに力を総動員して、普天間問題に取り組み、だめならば潔く辞任する。
民主党は新主導体制のもとで新政権をつくり、それでもだめなら総選挙で国民に政権を選ばせるべきだと思う。

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2010年4月26日 (月)

鎌田實の一日一冊(57)

『妻を看取る日』(垣添忠生著、新潮社)

国立がんセンターの名誉総長が著者である。
妻が、肺線がんや甲状腺がんになって、治療した。

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最後は肺小細胞がんが見つかった。
妻も希望し、著者もそれを是として、自宅で看取ることにした。

看取った後、3ヶ月間ほど、うつうつとした状態になった。
浴びるように酒を飲んだ。
どんなにグリーフケアが必要か、身をもって感じたという。
そして、立ち上がった。
妻を看取って、再生するまでの日々が書かれている。

妻は12歳年上。
膠原病も抱えていた。
親に結婚を反対されて、駆け落ちする。
著者が26歳のときである。
その後、親に許される。

本当に気が合ったという。
その大切なパートナーががんで亡くなっていく。
国立がんセンターの名誉総長が、自宅で看取ろうとする心がとても興味深い。

いずれ垣添忠生さんを訪ねて、対談したいと思った。

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2010年4月25日 (日)

写真展

「鎌田實 前田真三 前田晃 あなたとぼくと、一本の木の物語」という写真展が、八王子市夕やけ小やけふれあいの里前田真三写真ギャラリーで開かれている。

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前田真三・晃氏は、ぼくの『へこたれない』『よくばらない』にすばらしい写真を提供していただいた。
『よくばらない』では詩のような文章を書いたが、一本の木や、真三さんが「いもむしの森」と呼ぶ森と、いいコラボレーションができたと思う。

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前田真三さんといえば、北海道の美瑛に拓真館というギャラリーがある。
真三さんが命がけで撮った北海道の四季の風景が展示されている。
ぼくは、ここで、前田真三という写真家を知った。
いつか、自分の本に使わせてもらいたいと思っていたが、前田さん親子のご厚意で、それが実現した。

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八王子のギャラリーは、真三さんのふるさとであることを記念して、八王子市が1996年に開設した。
すでに来館者が100万人を超えているという、人気のギャラリーだ。

この写真展は、写真にぼくの文を添える形で展示。
7月27日まで開かれている。
ゴールデンウイークにはぜひ、八王子市夕やけ小やけふれあいの里の写真展をご覧ください。詳しくはこちら
感動すると思う。
北海道に行かれる方は、拓真館を訪ねてみることをおすすめする。

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2010年4月24日 (土)

鎌田塾が開かれた

若い医師たちがたくさん入ってきた。
前期研修医が8人、後期研修医が18人。
後期研修医の内訳は3年目が4人、4年目が8人、5年目が6人。
かわらを重ねるように、先輩の医師たちが新しく入ってきた医師たちを教えていく。
それをさらに指導医たちが、三重、四重に教育をしていく。
しかも、諏訪中央病院では、全国的に有名なカリスマ指導医に一週間、教育のためだけに来てもらう。
研修医たちのあこがれの病院の一つになりつつある。

鎌田塾は、研修医や、研修医ではないが新しく入った医師たちのオリエンテーションの一環として開かれている。
36年前から、鎌田や今井澄が地域とどうのようにつながろうとしてきたか、知ってもらいたいと思っている。

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今回は、5年前に退職した、ぼくが信頼する伊藤元保健師の来ていただいて、茅野市がどのように健康づくりをしてきたかを話してもらった。
尊厳死を考える会からも2人来ていただいた。
健康づくり運動によって健康を得られても、人はいつか死んでいく。
そのとき、どうしたらよいか考えるために、保健師が「見つめてみよう私たちの命」という会を毎年開いてきた。そこから発展して、NPO「命の輝きを考える会」ができた。

会では、尊厳死カードを発行している。
もうすでに1700人を超えた。
地域の住民がつくる会が、自発的に尊厳死カードを発行している町は、日本ではそうないのではないか。
四国に満足死の会というのがあるが、それに近い。
まったくないわけではないが、「命の輝きを考える会」は毎月、丁寧に勉強をしている。
今年は病院の緩和ケア病棟の医長がレクチャーをする。
秋には産婦人科の医師が命の誕生の話をする企画があがっている。

「命の輝きを考える会」に参加している鈴木さんは、『がんばらない』のなかに出てくるケンちゃんのお母さんである。
ケンちゃんは、悪性リンパ腫で20歳で亡くなった。
お母さんは、病院で2年間、息子をよくみてもらったお礼に今、市内でボランティアをしているという。
そうした体験談を、鎌田塾で話してくれた。

やはり、『がんばらない』に書いたたぬきのおばあちゃんの息子、小林一茶(ひとし)さんはそばうち名人として、全国的に有名になりつつある。
小林一茶さんが、友だちと一緒にやってきて、そばを打ってくれた。
おいしいそばを若い医師たちに腹いっぱい食べさせてくれた。
場所はお寺さんを貸してもらった。
お寺では、お酒と、おしんこ、鯉を出してくれた。
市民みんなが医師を育てようとしてくれている。
あたたかさに支えられて、鎌田塾は終わった。

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2010年4月23日 (金)

いよいよ春の唐組公演

唐組の春の公演がいよいよ始まる。
「百人町」という芝居だ。Pic002

60年代の小劇場の旗手たちは形を変えたり、やめたりしてしまったが、唐十郎は今も紅テントでの芝居を続けている。
唐組の人気役者であり、原作、脚本を担当し、演出もする。
そして、芥川賞作家。
怪人二十面相みたいな男である。

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「百人町」のパンフレットは、唐と鎌田の対談の一部が使われている。
唐十郎の芝居は、ストーリーを気にする必要はない。
ストーリーを追って、なぜそうなるのかなんて考えてもわからない。
芝居のリズムやテントのなかの空気を楽しめば、必ず面白さがわかってくる。
そのことを唐十郎に言ったら、「そうです、そうです」と唐自身も肯定した。

ぜひ、「百人町」をご覧ください。

「百人町」の公演は、以下の通り
大阪・元精華小学校グラウンド 特設紅テント
 4/24、25
東京・新宿花園神社 特設紅テント
 5/1、2、8、9、6/5、6、12、13
茨城・水戸芸術館広場特設紅テント
 5/14~16
東京・雑司が谷鬼子母神 特設紅テント
 5/22、23、29、30

お問い合わせは電話・ファクス03-3330-8118

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2010年4月22日 (木)

診療報酬の話

ニュースエブリィの鎌田の「がんばらない」コーナーで、診療報酬のことについて解説した。
こんな内容だ。

4月1日から診療報酬が0.19%アップされた。
たとえば、5歳の女の子が2割負担の場合、発熱で夜間、救急外来を受診すると、自己負担額が2070円から2170円に上がった。
負担額はあまり大きくなっていないが、今回の改定の特徴は、病院医療の崩壊を防ぐために、救急や産科、小児科、外科など、医師不足のところに重点的にお金の配分が行われた点にある。
難しい手術では、外科の手術料が30%近くアップされている。
しかし、高額療養費制度があるので、約8万円を超えると、それほど自己負担は増えないですんでいる。

再診料が大幅に見直された。
Img_1219病院では、600円から690円。
診療所やクリニックでは、710円から690円。同じ額に統一された。

診療所やクリニックで再診料を20円マイナスすることで、日本全体では200億円の医療費を減らすことになる。
病院での90円プラスは、病院全体の収入が180億円増やす。
病院の収入が増える仕組みがつくられた。

診療報酬を0.19%アップすると、国民負担は700~800億円の増加となる。
だが、同時に薬価の切り下げが行われ、5000億円ほど削減。
その分を病院医療に4400億円充てた。
わずかではあるが、そうすることによって、病院が存続できるようになった。

開業医たちも夜間に電話連絡などができるようにすると、地域医療に対するコストとして再診料を30円アップすることができるため、再診料の20円マイナスをカバーすることができる。
患者さんたちも、開業医の主治医と夜間でも連絡がとれるようになり、安心できる。
軽い発熱程度で病院に駆け込まなくてもよくなり、病院も助かる。

今回、わずかな診療報酬のアップであったが、病院崩壊を救う一歩になったと思う。
新政権はドジの連続であるが、この診療報酬の改定はお金がないなかで上手なコントロールをしたと評価してもいいと思う。

本日22日、ニュースエブリィ(日本テレビ系、16.53~19.0)に出演する。
ぜひ、ご覧ください。

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2010年4月21日 (水)

茅野の満開の桜

諏訪から茅野にかけて、満開の桜ドライブをお楽しみください

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鎌田實の一日一冊(56)

『大島渚と日本』(四方田犬彦著、筑摩書房)

大島渚論である。
平幹次郎や黒澤明、北野武と違って、大島渚にとって、日本という主題がいかに抜き差しならぬ本質的なものであるかを、著者は訴える。Photo

なるほどなと思った。

ぼくは、大島渚の映画はほとんど見ている。
「日本の夜と霧」や「新宿泥棒日記」「絞死刑」「無理心中日本の夏」、当たり屋一家事件をモデルにした「少年」という映画も「儀式」という映画も、みんな日本という国を見つめているような気がする。
これらの映画を新宿シアターでよく見た。

小津安二郎や黒澤明はそれぞれのスタイルが一貫しているが、大島渚は毎回スタイルが変わる。
ここがセンセーショナルなところ。
ファンを欺くのがうまい。
予想させないようにしている。
漫画を使ったり、ドギュメンタリータッチにしたり、唐十郎を使って芝居がかった演出をしたり、まるで台詞劇のようにしたり。
大島渚の映画は、どれも刺激的である。

1996年、ロンドンで倒れ、その後「御法度」で復活するが、再び病状が悪化。
大島渚ファンとしては、あと2本くらい彼の映画をみたいと思う。

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2010年4月20日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(30)「海の沈黙」

ヌーベルバーグの魁となるような映画をみた。
「海の沈黙」
ジャン=ピエール・メルヴィル監督。

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1941年、ドイツに占領されたフランス。
おじとめいが静かに生活する家に、ドイツ人将校がやってくる。
ドイツ人将校はめいに好意をもち、毎晩、熱心に話しかけるが、2人は一切しゃべろうとしない。
レジスタンスをしているのである。
会話は一切交わされないが、徐々に3人の関係が複雑に変わりはじめていく。
芸術を愛すドイツ人将校は、ほかの将校と違い、フランスを徹底的にたたきのめそうとしない。
ドイツとフランスが、文化の「結婚」をできればいいと思っている。
ほかの将校たちがフランスを徹底的につぶそうとするとき、この将校はやりきれない気持ちになっていく。
フランスの文学や音楽が好きなのである。

彼は、前線に立つ決意をする。
最後の晩、めいに、さらならを言う。3はじめて、めいが言葉を発する。
「さよなら」
めいの心は明らかに動いているが、レジスタンスは続いている。
3人の心理劇である。
それぞれの心理が、見事に表現されている。
いい映画である。
デジタルリマスター版である。
岩波ホールで上映していたが、今後、各地の映画館でも上映の予定があるようだ。
チャンスがあったら、ぜひ、みてほしい。

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2010年4月19日 (月)

GWはぜひ蓼科へ

蓼科に遅い春がやってきた。
繰り返す寒波の到来と大雪で、なかかな来そうで来ない春が、1004041image532 やっと、やってきた。

温かい日に、蓼科高原芸術の森の彫刻公園を歩いた。
北村西望やロダンなどの彫刻がたくさん展している。

北村西望は、長崎の平和祈念像で有名な、日本を代表する彫刻家である。
たくさんの作品があるが、ぼくが好きなのは「笑う少女」。
小さな子どもが、うふふ、と笑っている。
おばあちゃんのような顔にも見える。
うふふ、と笑う向こう側に、もっと重い、いずれやってくる人生のしんどさを、それでもなんとか笑っていられるよと言い切っているような、見事な少女の笑いである。

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もう一つの大好きな作品は、「将軍の孫」。
北村西望の孫がモデルではないといわれている。

ゴールデンウイークには、ぜひ、蓼科で芸術に触れてみるのをおすすめしたい。
彫刻公園を散策したら、マリー・ローランサン美術館を訪ね、20世紀初頭のパリの空気を想像してみてはどうだろう。
こんな田舎の小さな美術館に、500点ものマリー・ローランサンの作品があり、びっくりする。
いつ行っても違う絵が展示されている。
マリー・ローランサンの絵と、彫刻が一緒に見られるチケットもある。

芸術を鑑賞した後は、三井の森の尖石考古館で日本最古の国宝、縄文のビーナスをみる。
考古館の裏庭にある、美しい雑木林を散策するのもいい。
縄文人の声が聞こえてきそうな森である。
ガーデンキッチン歩庵でランチを食べるか、おそばがいい人は登美がおすすめ。

ぜひ、ゴールデンウイークは蓼科へお越しください。

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御柱祭の様子が動画像でご覧いただけます。
右側の画面をクリックしてみてください。

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2010年4月18日 (日)

この人に会いたい(21)川田龍平さん

日本テレビのニュースエブリィの取材で、カメラクルーと一緒に、参議院会館の川田龍平議員を訪ねた。
川田議員は元気そうだった。
久しぶりに、がっちりと握手をした。

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川田議員は町へ出て、マイクをもって、彼の考えを述べてきたという。
だいぶ前に、無所属から、今人気が上がっている「みんなの党」に入った。
ぼくは大賛成とエールを送った。
彼には無所属でいてほしいという人が何人かいることは知っている。
だが、それは川田議員が考えればいいことだと思った。
川田議員のようなたいへんな経験をした人が、国会議員でいることが大事なのだ。

今回の取材は、田辺三菱製薬の子会社が、安全データを捏造したことで25日間の営業停止になったことついて、川田議員の考えを聞きにいった。
川田議員はたいへん怒っていた。
彼自身が薬害エイズの被害にあっている。
11歳のとき、事実を告知された。
自分が川田君の立場だったら、とてもつらくて生きていけないと思う。
しかし、彼はまっすぐに前を向いて、生きた。
そのことは『空気は読まない』のなかに書いた。
彼のすごさが書かれているので、ぜひ、読んでほしい。

そんな彼を、ぼくは応援しようと思っている。
川田龍平さんがどんな立場になっても応援しようと思っている。
ちなみに川田議員は今年の参議院選挙は関係ない。

ニュースエブリィも視聴率がどんどん伸びているようである。
次回のぼくの出演は、22日。
夕方5時から7時まで、ぜひご覧ください。

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2010年4月17日 (土)

4月の雪

桜が咲き始めた信州。
一転、今日は雪景色。

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今朝の岩次郎小屋の雪景色です。

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本を贈る

Kさんからメールをもらった。

ぼくの『よくばらない』(PHP研究所)を読んでくれたという。

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Kさんは、ぼくの講演会に一緒に聴きに行こうと、友だちを誘っていたが、なかなか実現できなかった。

その友だちが、書店で『よくばらない』を見つけた。
帯を見て、ひきつけられた。
立ち読みを始めると、すぐに泣きそうになった。
あわてて本を閉じ、レジへ。

買ったのは、自分用とKさん用の2冊。
「いい本だから」
友だちは、そう言って、Kさんに本を贈ってくれたという。
すてきな友情だ。
こんな話を聞くと、本当にうれしくなる。

『よくばらない』は、今までの鎌田の本とはちょっとスタイルが違う。
詩のような形でつづる、生き方メッセージブックだ。
前田真三さんの写真も美しい。

自分のために、だれか大切に思う人のために、手にとっていただければうれしい。
ぜひ、ご覧ください。

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2010年4月16日 (金)

各紙で紹介

『空気は読まない』(集英社)が売れているようだ。Photo
4月4日付の4の静岡新聞には、「今週のベストセラー」の9位にランクされている。
健闘しているようだ。

中日新聞のコラム「中日春秋」にも取り上げられた。
詳しくはこちらをお読みください。

高知新聞でも、民主党の小沢幹事長に対して、小沢さんの顔色を読まず、もっと強く主張できる議員が出てきてほしいという「KY議員もっと出て来い」という記事のなかで、この本のことを取り上げてくれている。

たくさんのマスコミが、取り上げてくれている。
空気を読むことに汲々となっているこの国に、あえて空気を読まない強さが大事。
そんなカマタの主張が徐々に伝わりだしている。
この本で、日本の空気を変えられたらいいなと思う。

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2010年4月15日 (木)

ふうちゃんの授業

ふうちゃんは脳性まひ。
毎年、諏訪中央病院看護専門学校の、ぼくの「看護哲学」の授業に、2時間来てくれる。

「私は体が不自由だけれど、心は自由だ」
L1010607哲学的なことを話してくれる。

やりたいことをするためには、あきらめなくちゃいけないことがいくつかあった。
障害を乗り越えて生きてくために、我慢しなくちゃいけないこともたくさんあったが、それでも、一番大切な自由を求めて、彼女は社会に出て行く。

小学校で話をしたり、足で手紙をかいてみせたりする。
足で書いた「足てがみ」の展覧会も開く。
足でキーボードを奏でる。

いよいよ来週、ふうちゃんの授業が看護学校である。
楽しみだ。
ふうちゃん、ありがとう。

写真は、ふうちゃん。足で本をつかみあげているところ

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2010年4月14日 (水)

GWは「鎌田實といのちを語ろう」

「鎌田實といのちを語ろう」が、4月29日午前8.30~11.50、NHKラジオ第一で放送される。生放送である。
ご好評いただいている「鎌田實 いのちの対話」の総集編と、これからの思いや構想について、鎌田と村上信夫エグゼクティブアナウンサーと語り合う。

ラジオのラジオらしいいい点は、ゆっくり語り合い、リスナーからいただいた声にすぐに反応できること。
その長所をフルに生かして、鎌田と村上が新鮮で、あたたかい「いのち談義」を展開する。

今まで、放送時間の関係でお返事できなかったお便りやファクスにも、できるだけおこたえしていく。
尾道での公開放送「いのちの冒険」の一部アンコールもある。

お仕事をしながら、あるいは、ゴールデンウイークの行楽の車中で、ぜひ、お聞きください。
放送の開始時間が、朝8時半といつもよりちょっと早いので、ご注意を!

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2010年4月13日 (火)

寒天でティータイム

毎週、諏訪中央病院の緩和ケア病棟の回診をしている。100330image525

お茶の時間になると、患者さんや家族、ボランティア、ときには医師、看護師たちが一緒にお茶を囲んで、いい時間を過ごす。

この日、牛乳寒天とショウガの寒天が出た。
寒天は、茅野の北原産業さんからご寄付をいただいたもの。
それを、ホスピス・ボランティアの方が、おいしい牛乳寒天とショウガ寒天にしてくれたのだ。

地域に支えられているホスピスである。
北原産業とボランティアの方に感謝。

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2010年4月12日 (月)

この人に会いたい(20)たかの友梨さん

美容研究家のたかの友梨さんととお会いした。
彼女は、群馬にある「鐘のなる丘少年の家」という養護施設の後援会長をしている。
施設の子どもたちをディズニーランドに連れて行ったり、施設整備にお金を出したり、社会貢献をしているということで、ずっとお会いしたいと思っていた。
60歳で、双子の赤ちゃんを養子に引き取って育てているとも聞いた。

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たかの友梨ビューティサロンは現在、122軒。
約1300人のスタッフを抱えている。
根性がある人だなと思った。

厳しい生い立ちなのに、しっかり前を向いているところがすごい。
「おしん」みたいな生活をしてきた。
本当の親に育てられなかったというのは、ぼくと同じ境遇。
話していて、共感することが多い。

子どものころ、成績がよかったが、「女は勉強するな」と言われた。
20歳で群馬から上京し、美容師免許を取った。
4年で100万円のお金をためてパリに行く。
このへんの潔さは、すごい。
帰国し、30歳でエステの自分の店をもつ。
10年間で100軒に拡大した。

たかのさんはぼくとほぼ同い年。厳密には、数ヶ月ほど彼女のほうが年上。
「自分に対して厳しい」ことは、たかのさんとぼくの共通点だと思った。
ぼくは朝4時半に起きることを43年間続けてきた。
たかのさんも、朝早く起きて、自分の時間を大切にしているという。
「朝いちばん頭がひらめくときに、自分のためだけに時間を過ごしたい」
2人とも同じようなことをしていると、意気投合した。

ぼくの『よくばらない』(PHP研究所)を読んで、感動してくれたという。

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2010年4月11日 (日)

コーヒーと音楽

いつものように朝4時半に起きて、コーヒーをいれる。
今日のコーヒーは、山谷のカフェバッハのコスタリカ。
苦いが、奥が深い味わい。
わずかに、やわらかなうまみを感じる不思議なコーヒーである。

音楽をかける。
小室等さんの「ベラルーシの少女」と「雨のベラルーシ」。
この曲は、4月7日に動画像で紹介している。

小室さんとは2度、チェルノブイリの放射能汚染地帯に行った。
コンサートをしてもらった。
そのとき、なんと、小室さんが作詞作曲をしてくれた。
しかも、ロシア語で。

「私を乗せて夜汽車は走る
広いロシアの闇の中を
昨夜のうちにモスクワを発ち
夜が明ければ、そこは君の住む5月のベラルーシ
ベラルーシの少女よ、5月の風のなかで
ベラルーシの少女よ、永遠の5月を駆け抜けろ」

1度目の旅で出会った白血病の少女が、2度目に訪ねるとすでに亡くなっていた。
「ベラルーシの少女」は、この少女のことを歌ったものだ。

もう一つの「雨のベラルーシ」は、こんな歌詞。

「思い出のベラルーシ、君と過ごしたベラルーシ
りんごの花を君の髪に飾ったあの日
まるで昨日のことのようだね
君のいない5月のベラルーシ
許されるなら、時間よ戻れ
君のいない5月の雨のベラルーシ」

この歌を作ったとき、ベラルーシのゴメリは、5月というのに雨や雪が降る寒い日だった。
「ベラルーシの少女」はロシア語とぴったり合って、雄大なロシア民謡を思わせる。
「雨のベラルーシ」は、小室等さんの世界で、切ないブルースのように聞こえる。

小室さんのご厚意で、CDの売り上げの利益は、日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)から子どもたちの薬代になっている。
すばらしい曲です。
CDをお求めの方は、こちらJCFのHPをご覧ください。

スタッフのブログとして、ぼくのブログもときどきアップしているので、そちらものぞいてみてください(→http://www.jcf.ne.jp/cp-bin/blog/)。

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2010年4月10日 (土)

「学問ノススメ」出演

ラジオ版学問ノススメに出るのは、3回目。
パーソナリティーの蒲田(ガマダ)さんが、低音の張りのある声で聞き役をしてくれる。
こちらがうわずって、早口になってしまうほど、いい声なのだ。

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ガマダさんとはとても気が合う。
鋭い質問をしてくるので、楽しいディスカッションができた。

2回目に出たときに、「2回出た人は初めて」と言われたが、今回3回目も「初めて」なのだそうだ。

放送は各地のFM放送で、18日を中心にオンエアされるが、地域によって日時が異なる(詳しくはこちら)。
27日以降なら、PCのポッドキャスティングでも視聴できる。
こちらは、オンエアでカットされた部分も聴けるという。

ぜひ、お聴きください。

写真は、いい声のガマダさんとカマタ

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鎌田のインタビューがご覧になれます

JBpressに、鎌田の『空気は読まない』が大きく紹介されている。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3159

以前、このJBpressではぼくの持論「ウエットな資本主義」についても、とりあげてくれた。
とても、うまくまとまっているインタビュー記事。
ぜひ、ご覧ください。

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2010年4月 9日 (金)

茅野市映画館の日

蓼科には小津安二郎の別荘があり、ここで多くの名作の構想が練られたようだ。
それにちなみ、茅野市は、小津安二郎記念蓼科高原映画祭を開催するなど、映画文化の広がりに力を入れている。
映画館の復興を考え、2009年度は毎月一回、鑑賞無料の映画会を行ってきた。
好評だったため、2010年も引き続き行われるようになった。

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その第一弾が、4月18日の映画館の日。
茅野市の駅のすぐ近くにある新星劇場で、10時と13時の2回、鑑賞が無料となる。

上演されるのは、西川美和監督の「ディア・ドクター」。
この映画については、以前、このブログでも書いた(こちら)が、笑福亭鶴瓶が、にせ医者を好演している。
ちょっとぐっとくる、すばらしい映画だ。
見て、絶対に損はない。

今、映画館は厳しい。つぶれそうなところも多い。
ぼくは映画が大好きなので、映画館に元気になってもらいたい。

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2010年4月 8日 (木)

カーボンオフセット

木質ペレットを使って削減した二酸化炭素(CO2)の排出量を、二酸化炭素1トンあたり平均5800円で、都内の企業に買ってもらい、木質ペレット利用者に2000円程度還元する。1003272image523
長野県はこんな補助事業を行っている。

木質ペレットの材料は間伐材。
森を荒廃させないために、森を間引くことがいいとわかっていても、林業の後継者不足により、なかなか森に手をかけることができずにいる。
しかし、間伐材が木質ペレットの材料として売れることがわかれば、森も林業も元気になる。

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木質ペレットを燃やせば、二酸化炭素は排出されるが、森を守ることで二酸化炭素を吸収するため、カーボンオフセットになる。

みんなが、少しずつ環境を考えた生活へと切り替えていくことが大事だと思う。

長野市に製作所が、小型水力発電を開発したというニュースも聞いた。
できるだけ省エネをしながら、小さな発電システムを多くつくり、環境にいいエネルギーをつくっていくことが大事だと思う。

写真は、岩次郎小屋で大活躍のペレットストーブと燃料の木質ペレット

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2010年4月 7日 (水)

ベラルーシの少女

1 ベラルーシの少女
2 雨のベラルーシ

作詞・作曲・歌 小室等
制作 (株)フォーライフレコード(PRD-5008)
訳詞 ニコライ・ドミトリエフ、山崎瞳
補訳詞 ORIGA

小室等さんは、1994年日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)の第21次訪問団「プロジェクト・メイ」に参加してベラルーシに渡航した。
その際現地との文化交流のため、チェチェルスクのステージで歌ったのがこの「ベラルーシの少女」だ。

この曲を含むアルバム「時のパスポート」を制作された時に、チェルノブイリ支援のためこのシングルCDを制作。小室さんのご好意により、このCDの売上はJCFの活動のために使われる。

ぜひご協力ください。
ご購入はこちら 

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中国から来た看護師

厚生労働省は3月26日、経済連携協定に基づき、インドネシアとフィリピンから受け入れた看護師候補者3人が国家試験に合格したと発表した。

だが、ぼくたちの諏訪中央病院看護専門学校では10年ほど前から、中国からの留学生を受け入れて、優秀な看護師を育てている。

Photo

『空気は読まない』(集英社)に、張麗麗(チャン・リーリー)という中国の女の子のことを書いた。
2009年の卒業生だ。
彼女は、中国から来たばかりのとき、自分はサボテンのようにトゲトゲしていたと語った。

「しかし、みんなと過ごすうちにマシュマロになった」
自意識が強く、自分の意見を主張して、周りのみんなを傷つけたが、日本のあたたかな空気に染まって心がやわらかくなったことを、彼女は「サボテン」と「マシュマロ」にたとえて話したのだ。
彼女が、在校生として卒業生に送った送辞の言葉は、涙なしには読めない。
中国からやってきた女の子が看護師になった話を読んでほしい。
泣けます。

写真は、08年夏に、張麗麗と

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2010年4月 6日 (火)

景気が動き出した

4月2日、御柱が八ヶ岳のふもとから動き出した。
祭にわく空気のなか、日本の景気もそろりそろりと上がり始めている。
いい風が吹いてきた。

株価は1年半ぶりに、1万1000円を超えた。
2008年10月に株価が暴落した後、7000円台からじりじりと上がってきた。
ぼくは、二番底をずっと心配していた。
むしろ、二番底が来たほうがいいとも思っていた。
二番底の後、必ず上がるからである。
だが、この様子では大した二番底なしに、このまましばらく上昇局面を迎えると思う。

景況感が4期連続で改善している。
新車の販売台数が、7年ぶりに増加した。
軽自動車を除く新車販売台数は、前年度比10%増で、318万台に伸びたという。
自動車が売れれば、その部品メーカーも動き出す。
長野県などはその部品メーカーが多い。
長野県の製造業も15ポイント上昇し、実質的な改善の兆しを見せはじめた。
みんな不安感をもっているが、数字上では明らかな改善を示している。

この3月、アメリカでもトヨタの車の売れ行きが30%アップしている。
アメリカでのトヨタ・バッシングも終わったとみていい。
「プリウスが暴走する」なんて、なんだかマジックのような話。
これに対して、きちんとエビデンスをもって説明する能力をもてなかった企業の非力であるが、アメリカ国民もいい車はいいと、やっとわかってきたのではないか。
これも、大きなサインである。
アメリカでトヨタの車が売れはじめ、日本の国民もトヨタの車を買ってあげる。
ヨーロッパでも、当然、もう一度V字改善ができるはず。

第一生命の上場もムードを上げるのにはいい。
時下総額1兆6000億円。
突然のボーナスみたいなものをもらう人たちが出た。
このうちの何割かがお金を使えば、経済が回りだす。

株価の二番底を懸念していた人たちも、これで買いに回れるだろう。
勢いが出てくれば、外国人投資家たちも入ってくる。
そして、ちょうどいい時期に、批判はあるが、高校無償化や子ども手当てなどが子育て世代を潤す。
この子育て世代の国民も、4月から6月にかけて、お金を使うという局面も期待できるだろう。
極力、貯金に回さずに、みんなが元気よくお金を使うことが大切。
とにかくお金を回転させること。
それが、社会を活性化させ、若者の雇用を生み出すムードにつながっていく。
そして、さらに壊れかけていた分厚い中流を修復できる。

この絶好の時期に、政治の主導体制を変えることができれば、一気にこの国は元気になる。
まず小林議員は辞職し、首相か幹事長が責任をとって交代すべきだ。
新体制をつくりだせば、日本は一気によくなると思う。

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カマタin御柱2010

7年に1度の奇祭、諏訪の御柱。山出し1日目。降りしきる雨の中、カマタも御柱に乗せてもらった。先頭に乗っているのがぼく。必死になって「ヨイサー、ヨイサー」と声を出す。ぼくにとって7回目の御柱。こんな滝のような雨の御柱祭は初めて。これはこれで、面白い思い出となった。

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2010年4月 5日 (月)

好評だった講演会

3月25日の講演会は、あにいく一日中雨が続いた寒い夜となったが、新宿・紀伊国屋ホールの400席がほぼ満席となった。
若い人が多くてびっくりした。
ぼくの講演会は、地方ほど集まりがよく、2000人の会場もいっぱいになるが、8割は中年以上の女性。
今回は、意外に若い人が多かった。
若い人たちにも元気になってもらいたいと思っていたので、とてもうれしい。

たくさんの方が講演を聴いた感想やメッセージをよせてくださった。

「3年前に胃がんになりましたが、先生の本を読んで元気をもらいました」

「いつもブログを拝見しています。
鎌田さんのエネルギッシュな行動と考え方に深く敬意を表します。
鎌田さんが日本の厚生労働大臣になればいいと思っています」

そう、ぼくもそう思っている。

「本日はすてきなお話ありがとうございました。
心に残りました。
明日から今日のお話を生かして、空気に流されず、自分でいい空気をつくっていきます」

こんなメッセージをいただくと、とてもうれしくなる。

9年前にがん、いまは悪性リンパ腫と戦っている人からも、「こころの書としてずっと読み続けている」というメッセージもいただいた。

64歳の男性の方からも、
「空気を読めずに苦労していましたが、なんかちょっと自信をもらった」と書いていただいた。

「リストラにあってとてもつらい気持ちになっていたが、今日は少しあたたかくなった」

仕事の都合上、講演会は聞けなかったが、講演後のサイン会には間に合うと、栃木県の小山市から駆けつけてくれた方もいた。本当にありがたいことだ。

「先生のご本は自宅以外ではとても読めません。
電車のなかでは、涙、涙でとても読めません」

これは、よく言っていただけることだ。
ぼくはマスコミの取材を受けるが、「泣きながらしか読めなかった」と言ってくれる。
目を真っ赤にしながらインタビューをしてくれた女性もいた。
宝島の取材をしてくれた人は、男性だったが、開口一番「とにかく泣けました」

『空気は読まない』は、とても心があたたかくなる本。
紀伊国屋ホールでの講演会は、いい聴衆の前でいい話ができ、ぼく自身もあたたかく、幸せな気分になった。
雨の中、ご来場いただいた方、本当にありがとうございました。

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2010年4月 4日 (日)

御柱祭2日目

36年間、地域の健康づくり運動を一緒にやってきた原ますよさんの家におじゃました。
諏訪中央病院の医師たち50人が招待された。
TBSラジオでおなじみの大沢悠里さんご一行も参加。
すごいご馳走が並んで、祭気分がいっそう盛り上がる。

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原さんの家は、御柱のハイライト、木落としが行われるちょうと下にある。
原さんが用意してくれた桟敷のいちばんいい席で、迫力の木落としを堪能。

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500~600人の氏子が木をひっぱって、坂から落とす様子は、何ともすさまじい。
木落としは危険と隣り合わせで、過去には死傷者が出ている。
今年の木落としは、つぶれずに大成功だった。

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最後は、原田泰治さんも合流して、大沢悠里さん(写真の右)とともにテラス蓼科で打ち上げ。

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2010年4月 3日 (土)

御柱祭が始まった

2日、鬼のような雨が降る中、御柱祭が始まった。
御柱をひき、御柱の先頭に乗せてもらった。

大曲という難所は、めどでこの角が大きいために直角に曲がった狭い道をぎりぎり曲がっていく、すごい技術を要するところだ。
写真は、その大曲で元綱が綱を引いて方向付け、奥のほうで若い衆がめどでこに乗っている。
緊張感が漂う、おもしろい、見せ場の一つである。

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ぼくも、この大曲をひいたり、乗せてもらったりした。
すでに声がかれている。
その様子は、5月24日月曜の「こころの遺伝子」(NHK総合、22時~)で放送される。
鎌田が夢中になって、御柱にのっているところが映ると思う。
ぜひ、ご覧ください。

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4日、「テレビ寺子屋」(フジ、午前4時30分~)が放送される。テーマは、「あったかさが大事」。早朝ですが、ぜひご覧ください。

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2010年4月 2日 (金)

「鎌田實 いのちの対話」観覧者募集

5月5日、静岡県の長泉町で公開生放送される「鎌田實 いのちの対話」(NHKラジオ第一)の観覧者の募集が始まっている。

テーマは「絶望は希望に変わる」。
ゲストは、JAPAN元気塾代表の加藤秀視さん、全国骨髄バンク協会会長の大谷貴子さん、女優のサヘル・ローズさんの3人。
加藤さんは、高校を4ヶ月で中退。ドラッグ、傷害、恐喝と裏社会に入り、2回の逮捕経験がある。そこから立ち直り、建設業で成功。横道にそれた若者たちを救おうとしている。

大谷さんは、骨髄バンクをつくるために活躍した。自分は白血病。絶望のなかからどうやって希望を見つけ出したのかを聞く。

サヘル・ローズさんは、イランに生まれた。空爆を受けて孤児になった。命がけで救ってくれ、母になってくれた人と出会う。
そして日本にきて、日本で家や食べるものがない生活を続けながら、絶望のなかから希望を見出した生活を語ってもらう。
夢は、女優として、ロバート・デニーロと共演し、オスカーをとること。

魅力的なゲストをお迎えしてお送りする。

公開放送の観覧希望者は多く、競争率は高いが、ぜひ、会場まで聞きにきてください。
応募の締め切りは12日。
詳しい応募要項は、NHK静岡放送局へ。

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ニュースエブリィに出演した

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1日、日本テレビ系のニュース番組News every.に出演した。
コメンテーターとして、ニュースをやさしくわかりやすく伝えたいと思っている。
週一回出演。次回は9日金曜になる。
主に木曜だが、先約の仕事があるときには、そちらを優先するので、違う曜日になることもある。

ジャニーズのNEWS小山慶一郎くんと、いいコンビができつつある。
小山くんはとても勘のいい子で、礼儀が正しい。
若い女の子たちに人気であるが、この番組を通して、さらに幅広い年代層の女性の心をつかむのではないかと思う。

次回9日もぜひ、ご覧ください。

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2010年4月 1日 (木)

やすらぎの丘家族介護者の会

老人保健施設やすらぎの丘の家族介護者の会が、今年も開かれた。

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やすらぎの丘の施設長も3月末でお役ご免になった。
55歳で病院を退職し、4年間は諏訪中央病院看護専門学校や老人保健施設を長として支えてあげたいと思ってきたが、予定より2年ほど超過した。
4月からの人事は、市長と院長がいい人選を考えてくれているようだ。

家族介護者の会も、施設長としてはこれで最後。
樋口了一の手紙~親愛なる子供たちへという歌を聴いてもらいながら、ミニレクチャーを行った。

「私が服の上に食べ物をこぼしても
靴ひもを結び忘れても
あなたにいろんなことを教えたように、見守ってほしい
楽しいひとときに、私が思わず下着をぬらしてしまったり
お風呂に入るのをいやがるときには思い出してほしい
あなたを追い回し、何度も着替えさせたり
さまざまな理由をつけていやがるあなたと
何度もお風呂に入った懐かしい日のことを」

介護者が30人ほど集まった。
Img_1190男性はちょうど半分。
日本全体では、男性介護者は30%を占めるといわれている。
今回の介護者の会では、さらに男性の介護者が増加している空気があった。

言語聴覚士は、嚥下体操や誤嚥をどう防ぐかの講演をしてくれた。
栄養士は、むせにくい食べ物と、むせやすい食べ物をわかりやすく話してくれた。
やすらぎの丘の職員たちはとてもあたたかい。
この職員たちに支えられて、長く勤めることができた。
感謝、感謝、感謝です。

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帰りには、介護者の労をねぎらいたいと、筆で書いたぼくの手紙をお渡しした。
 (クリックすると大きくなります)

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