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今日は、GWにオススメの映画を2本紹介する。
「プレシャス」は、アカデミー賞助演女優賞受賞、ゴールデングローブ賞助演女優賞など、95の各国の映画賞で受賞している。
16歳の少女が、これでもか、これでもかというような不幸に遭遇する。
「学校なんて行かなくていい」と母親から虐待され、学校にも満足に行けなかった。
12歳で父にレイプされ、子どもができる。
数学はよくできるといわれるが、字が読めない、字が書けない。
さらにいくつものの不幸が押し寄せてくる。
どんな不幸かは、映画を見てのお楽しみなので、言わない。
これでもか、これでもかという不幸が押し寄せるなかで、彼女は「私の幸せは私が見つける」と、健気に現実から目をそらさず、しっかりと歩を踏み出していく。
感動的な映画である。
原作はサファイアというハーレムに住んでいた詩人が書いた小説。
映画の台詞がまるで詩のように美しい。
主人公はガボリー・シディベという無名の新人である。
大学で心理学を学びながら、電話オペレーターの仕事をしているときに、声をかけられた。圧倒的な存在感がある。
どんな困難でも人間は生きられると思わせてくれるような、元気が出る映画。
「プレシャス」はたいへんおススメである。
「オーケストラ!」
ソ連のブレジネフ時代に不遇にあう音楽家たちの物語である。30年前、ボリショイ交響楽団の主席指揮者から降ろされて、掃除夫をさせられている男が、よぼよぼになっている昔の仲間を集めて、パリでコンサートをする。
この偽ボリショイ交響楽団は、なんと、一度も音合わせをせずに本番を迎える。
はじめは音が合わないが、メラニー・ロラン演じるバイオリンのソリストが弾きはじめると、かつての名手たちが音を取り戻していく。
このへんはなんともお手軽である。
お手軽なのに、不思議と感動を増していく。
チャイコフスキーのバイオリン交響曲が映画を盛り上げていく。
世界的に有名なソリストの出生の秘密が、交響曲がクライマックスを迎えるとともに、解けていく。
お手軽に笑わされ、その後にわあっと感動が押し寄せてきて、最後は万来の拍手。
なんとも脇の甘い映画なのに、心が揺さぶられてしまうのである。
大々オススメ。
難しい映画が好きなカマタくんだが、久しぶりに屈折しない、直球勝負の「オーケストラ」は、いと、オカシ。
そこはかとなく悲しく、なのにメチャクチャ、おもしろい。
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