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2010年4月24日 (土)

鎌田塾が開かれた

若い医師たちがたくさん入ってきた。
前期研修医が8人、後期研修医が18人。
後期研修医の内訳は3年目が4人、4年目が8人、5年目が6人。
かわらを重ねるように、先輩の医師たちが新しく入ってきた医師たちを教えていく。
それをさらに指導医たちが、三重、四重に教育をしていく。
しかも、諏訪中央病院では、全国的に有名なカリスマ指導医に一週間、教育のためだけに来てもらう。
研修医たちのあこがれの病院の一つになりつつある。

鎌田塾は、研修医や、研修医ではないが新しく入った医師たちのオリエンテーションの一環として開かれている。
36年前から、鎌田や今井澄が地域とどうのようにつながろうとしてきたか、知ってもらいたいと思っている。

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今回は、5年前に退職した、ぼくが信頼する伊藤元保健師の来ていただいて、茅野市がどのように健康づくりをしてきたかを話してもらった。
尊厳死を考える会からも2人来ていただいた。
健康づくり運動によって健康を得られても、人はいつか死んでいく。
そのとき、どうしたらよいか考えるために、保健師が「見つめてみよう私たちの命」という会を毎年開いてきた。そこから発展して、NPO「命の輝きを考える会」ができた。

会では、尊厳死カードを発行している。
もうすでに1700人を超えた。
地域の住民がつくる会が、自発的に尊厳死カードを発行している町は、日本ではそうないのではないか。
四国に満足死の会というのがあるが、それに近い。
まったくないわけではないが、「命の輝きを考える会」は毎月、丁寧に勉強をしている。
今年は病院の緩和ケア病棟の医長がレクチャーをする。
秋には産婦人科の医師が命の誕生の話をする企画があがっている。

「命の輝きを考える会」に参加している鈴木さんは、『がんばらない』のなかに出てくるケンちゃんのお母さんである。
ケンちゃんは、悪性リンパ腫で20歳で亡くなった。
お母さんは、病院で2年間、息子をよくみてもらったお礼に今、市内でボランティアをしているという。
そうした体験談を、鎌田塾で話してくれた。

やはり、『がんばらない』に書いたたぬきのおばあちゃんの息子、小林一茶(ひとし)さんはそばうち名人として、全国的に有名になりつつある。
小林一茶さんが、友だちと一緒にやってきて、そばを打ってくれた。
おいしいそばを若い医師たちに腹いっぱい食べさせてくれた。
場所はお寺さんを貸してもらった。
お寺では、お酒と、おしんこ、鯉を出してくれた。
市民みんなが医師を育てようとしてくれている。
あたたかさに支えられて、鎌田塾は終わった。

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