この人に会いたい(23) 藤村俊二さん
「月刊がんサポート」の対談のため、藤村さんが経営している、南青山にあるO'hyoi's(オヒョイズ)というワインバーでお会いした。
ヒョイ、ヒョイと嫌なことから逃げてしまうので、みんなから「おヒョイさん」と呼ばていれる。
優れた生き方の一つだと思う。
「がんばるなんて、カッコわるい」と、おヒョイさんは著書に書いている。
水鳥は、水面下で必死にもがいていても、水面の上では涼しい顔でスーッと渡っていく。
これがかっこいい生き方だ、という。
そうだ、そうだ、と意見が一致した。
ぼくも、「がんばらない」とかいいがら、実はがんばっている。
でも、がんばっているところは見せない。
100メートル走で全力で走った後、ぼくはまるでらくらく走ったような顔をしたくなるたちである。
父は、ぼくが全力で走っていないと思い、そういうぼくを好きではなかったのだろう。
でも、ぼくは全力を出していた。
全力を出していない顔をしていたかったのである。
藤村さんは、胃がんになっても、腹部大動脈瘤になっても、あわてなかったという。
なるようにしかならないと思っているようだ。
スーツにワイシャツ、チーフ、すてきなおヒョイさんのワインバーにぴったりのスタイルである。
生き方も、ファッションも、若い素敵な奥さんも全部おしゃれだった。
写真は、藤村さんが経営するワインバー「O'hyoi's」。イギリスから移築した内装はしゃれた空間
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