鎌田劇場へようこそ!(34)「コロンブス 永遠の海」
世界が尊敬する101歳の映画監督マノエル・デ・オリヴェイラ。
年に一本の勢いで映画をつくっている。
1492年にアメリカ大陸を発見したといわれているクリストファー・コロンブスは、イタリア人という説と、コロンブスが発見した島々にスペインの名をつけたことからスペイン人説が有力である。
この映画では、実はコロンブスはポルトガル人だったという歴史研究家の夫妻を主人公にしている。
そのシルバー夫婦の、年老いたときの役は、オリヴェイラ監督夫妻が演じている。
大航海時代のコロンブスの旅と、歴史研究家のシルバー夫妻の旅、そして、監督夫妻の旅が見事に重なっていく。
101歳とは思えないみずみずしいアングル、美しいカットにはほれぼれする。
映画好きの人には、たまらない一作だろう。
おすすめである。
特別な映画好きでない人には、ちょっとまどろっこしいかもしれない。
ポルトガル人でもないと、コロンブスがイタリア人だろうが、スペイン人だろうが、ポルトガル人であろうが、あまりこだわりがない。
監督はポルトガル人。
映画の前半を耐えていくと、後半はぐっと面白くなっていく。
タイトルもなんとなく、すてき。
今日から岩波ホールで上映されている。
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