鎌田劇場へようこそ!(35)「てぃだかんかん」
ナインティナインの岡村君が主役。
ぼくはあまりテレビを見なくなった。
テレビをどんどんくだらなくしている犯人が20人くらいいて、人気者の岡村君もその1人と思っていた。
俳優としては本当に下手。
しかし、この下手な俳優が、主人公の空気を見事にあらわしていく。
「欠陥商品」と言われる主人公を、体中であらわせる俳優という意味では、たしかにすごい。
「ディア・ドクター」の鶴瓶の名優ぶりとは正反対だが、不思議にいい味を出している。
サンゴに夢中になる男の話である。実話。
生活能力がまったくない。
満足に子どもに食事も食べさせられない。
お菓子も買ってあげられない。
突っ走る男。
しかし、たくさんの仲間がいる。普通じゃない男なのだ。
最後はもう涙、涙。
サンゴの卵が海中にわあっと広がったときの光景はなんともいえない。
涙腺のゆるいぼくは、泣いて泣いて泣いて泣いた。
沖縄の基地問題はまったく出てこないが、ちょっと考えさせられる映画でもある。
この沖縄の自然をどう守るか。大きな問題だ。
すべての男は女の子どもだなとしみじみ思った。
最後に岡村が、松雪泰子ふんする妻に「母ちゃん、ありがとう」と言う。
男は母ちゃんに守られている。
本物の母ちゃん役の原田美枝子の演技もすごい。
岡村は何度も原田に殴られる。後半では松雪に殴られる。
男は何度も殴られながら、よたよたと立ち上がる。
男のロマンと女の不満。
しかし、男のロマンと女の不満が上手にかみ合ったときに、夢と現実が合体をして、大きな本物の夢の達成ができるのではないか。
その大きな本物の夢を支えているのが女のロマンかなと思った。
いい映画。オススメ。
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