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2010年5月12日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(39)

「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い」

モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の劇作家、ダ・ポンテの人生が描かれる。
ドン・ジョヴァンニは、このダ・ポンテと重なる。

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ユダヤ人の親が、キリスト教に改宗。
詩人であり、劇作家であり、教会とベネチアの腐敗を鋭くつく評論家でもあった。
女性とギャンブルに明け暮れ、ベネチアを15年間、追放される。
流れていったウイーンで、モーツァルトと出会い、「フィガロの結婚」などのオペラを共作する。
ダ・ポンテの生活と、オペラのドン・ジョヴァンニが、映画のなかで巧みにからまっていく。
クラシック音楽好きの人にはたまらない映画である。

宗教家や貴族のただれた生活ぶりが描かれている。
18世紀後半、オペラ「ドン・ジョヴァンニ」が上演されたときには、きっとこんなだっただろうと思わせる。
放蕩者の映画であるが、放蕩と芸術がつながっていることがよくわかる。
罰せられるほどの放蕩者になってみたいものだ。

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