鎌田劇場へようこそ!(41)
「RAILWAYS(レイルウェイズ)」
今週末からロードショー。
日本映画が人気とよく言われるが、なるほどと思わせる映画である。
49歳。男は大企業で出世をしていく。
最後の出世の条件は、仲間をリストラをすること。
男は疲れていた。
家族との関係もぼろぼろであることに気がつく。
お母さんが倒れる。
今の生活を見つめなおす。
40代後半は思秋期といわれる。
思春期のように、じたばたするときが来るという。
ぼくも48歳のとき、パニック障害になった。
妻のサトさんに、震える体を抱きしめられて、何とか支えられて時期がある。
自分の行く道を変えようと思ったのは、このときだった。
思秋期だったと思う。
映画の主人公は、モーレツ社員から、故郷、出雲の一畑電車の運転士に応募する。
出雲に行ったときに、この電車を見た。
なんとも、マッチ箱のようにかわいい電車である。
創業100年、地域の学生やお年寄りたちの大切な足になっている。
ローカル線の車窓から見る景色が美しい。
そこでゆっくり生きて死んでいく人たちが美しい。
静かな輝きを発している。
徐々に家族の絆が取り戻されていく。
男は、人と人とのつながりや人と自然のつながりのなかで、断ち切れそうになっていた心と体がもう一度、結びなおされていく。
映画は、人と人、人と自然、体と心をみごとにつなげていく物語である。
49歳の男を演じるのは中井喜一。好演している。
ちょっと疲れている人、つまずいている人、ほっとしたい人、見てはずれはないと思う。
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