鎌田實の一日一冊(62)
『絵本処方箋』(落合恵子著、朝日新聞出版)
自分の弱さに腹に立ったら、こんな絵本がおすすめ、という具合に絵本が紹介されている。
たとえば、昨夜のケンカを持ち越さないために『ふたり』。
よそのことなど関係ないと思っていたら、『バスラの図書館員』(ジャネット・ウィンター著、晶文社)。
これはぼくもおすすめ。
2003年春、アメリカを中心とする連合軍がイラクに侵攻した。
バスラの女性の図書館員は本を守ろうと、3万冊の本を隣のレストランや自分の家に隠した。
図書館は破壊されたが、本は守られた。
落合恵子さんは、この図書館員は発作を起こして心臓手術をしたが、その後、どうしただろうかと心配している。
実は、その図書館員は生きている。
図書館の館長になった。
腰痛症があり歩きずらくなっていると聞き、ぼくはバスラの病院で院内学級の先生をしているイブラヒムを通して、コルセットをプレゼントした。
どんな絵本を読んだらいいのか、子どもにどんな絵本を読んであげたいか、迷っている人に人にはおすすめである。
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