鎌田劇場へようこそ!(42)
「パリ20区、僕たちのクラス」
第61回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品。
全世界で絶賛されている。
ドキュメンタリーではないのに、まるでドキュメンタリーのようにリアリティーがある。
教室で起こっていることを丹念に撮っているのであるが、
子どもたちの才能や悲しみ、つらさを、あふれるほどのみずみずしいタッチで描いている。
移民の多いパリ20区の学校。
子どもたちの暴力沙汰に翻弄されたりする。
先生たちの大変さがよくわかる。
学校がこんなに民主的に運営されるのかと、フランスの教育制度がちょっとうらやましくなる。
だが、その民主的な学校運営とは裏腹に、子どもたちに対する処分はちっとも人間的ではない。
これなら日本のほうがましか、と思うような場面もある。
矛盾と希望、暴力が縦や横に織りなされていく。
演技経験のない24人の子どもたちがなんとも存在感をみせつける。
映画好きには、たまらなく素敵な映画である。
映画大好き人間でないと、はじめの3分の1くらいは退屈してしまうかもしれない。
しまった、見なけりゃよかった、と思うかもしれない。
だが、中盤以降、ぐいぐいと引き込まれていく。
学校の先生や、子どもをもつ親にも、ぜひみてもらいたい。
若者たちは世界のどの国でも同じような悩みを抱えている。
そして、どの国の子どもたちも、可能性を秘めている。
学ぶということがどんなことかもわかってくる。
明日12日から、岩波ホールで上映される。
とってもいい映画です。
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