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2010年6月20日 (日)

鎌田實の一日一冊(67)

『もうひとつのスーダン 日本人医師川原尚行の挑戦』(著・川原尚行、写真・内藤順司、主婦の友社)

すごい写真集。
ぼくのところにはたくさんの本が送られてくる。
でも、買わなければいけない本は、自分できちんと買う。Photo
もちろん、この写真集は自分で買った。

川原尚行先生は、外務省を辞め、遠いアフリカの国スーダンに渡った。
診療所を開設し、サッカーを通じての平和構築を目指している。

数年前、川原先生が諏訪中央病院に訪ねてきたことがあった。
すごい男だなと思った。
一度、彼の現場を見たいと思い続けていた。
見なければ応援もしてあげられないと思っているうちに、忙しさにまぎれ、結局、何もできていない。

内藤順司の写真がすばらしい。
被写体のすごさもあるが、写真のクオリティーも抜群。
写真の賞がとれそうな写真集だと思う。
説明はいらない。
言葉を通さず、伝わってくるのである。
過酷な状況のなかで必死に生きている子どもたちの姿が、痛々しく、美しく、力強い。
命って、なんてすごいんだろうと、何度も、何度も、ページをめくった。

川原尚行の仕事のすごさ。
アフリカの大地のすごさ。
写真という芸術のすごさを感じる。
なんともすごい本。

税込3000円と高い本だが、売り上げの一部は川原先生が活動するNPOに寄付される。

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