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2010年6月 5日 (土)

「こころの遺伝子」に反響

NHKテレビ「こころの遺伝子」を見たと、全国からはがきや手紙をいただいている。
たくさんの人が泣きながら見た、という。

宮城県の障害者の生活を応援するグループ「虹の園」の職員の方々も、「こころの遺伝子」を見たと手紙をくれた。
虹の園は、ぼくがずっと応援団長をしている。

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「鎌田先生の後をつぎ、往診にいかれている先生が、おばあさんを見るとき、まず自分の手で聴診器をあたためてから行うという、やさしさがにじみでている自然なしぐさに感動しました」

この行為は、ぼくの前の院長、今井澄先生が心がけていたことでもある。
後任の高木先生は、今井先生の診療行為を直接、見ていない。
聴診器をあたためるという心配りが、今井先生からぼくへ、ぼくから高木先生へ、言葉を超えて、バトンタッチされているのだとすれば、うれしい。

番組では、もし、夫の余命が少ないことを知っていたら、夫の布団のなかに入って、もっと一緒にいたかった、というおばあちゃんの告白を紹介している。
ぼくは、患者さんは、なかなか医師に言いたいことを言えないのだということに気がつき、衝撃を受けた。

この話に、自分がかかわっている障害をもつ人たちは、本当に言いたいことを言えているのだろうか。そんなふうに想像力を働かせ、自分の問題として捉えてくれた職員の方もいた。

とてもうれしくなった。
一つの事実を普遍化していくと、自分たちの生活を変えるヒントになる。

この番組制作のために、毎日、テレビカメラに追いかけられた。
正直、ストレスもたまったが、出来上がった番組を見ると、たくさんの人に生きる勇気を伝えられたようで、今はよかったと思っている。

虹の園では、障害をもつ人たちが、パンやピザ、弁当をつくったり、炭をつくったり、お団子屋さんを展開している。
どれもこれも本物志向で、体にいいものにこだわっている。
特に、パンは驚くほどのおいしさ。
どこでも買えないようなものをつくっている虹の園のお店は、こちら
ぜひ、宮城県に行かれるときには、お立ち寄りください。

虹の園のことは、11月発売予定の本で、原稿を作成中。
「人間は変われる」というテーマで、虹の園の取り組みを紹介しようと思っている。

写真は、草花の手入れをしてくれている諏訪中央病院のグリーンボランティア

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