鎌田實の一日一冊(66)
『はるちゃんのいただきます』(文・大平光代 絵・村上祐喜子、本願寺出版社)
今年2月、大平光代さんと2人で『くらべない生き方』(中央公論新社)を書いた。
その大平さんの子、はるちゃんは、いっぱい病気をもって生まれてきた。
ダウン症で、生後まもなく心臓の手術をし、白血病もわかった。
大平さんは、はるちゃんをいとおしく、大切に、大切に育ててきた。
ぼくも一度、会ったことがある。
男の人が苦手というが、ぼくが手を広げると、飛び込んできて、抱っこさせてくれた。
なんともかわいい。
大平光代さんはこの絵本で、はるちゃんを通しながら、大切なことを文章にしている。
絵は、村上祐喜子さん。
NHKエクゼクティブアナウンサーの村上信夫さんの奥さんだ。
村上信夫さんは、「鎌田實 いのちの対話」を一緒にやっている、ぼくの大切なパートナー。
なんだか、不思議な縁を感じる。
村上祐喜子さんは、もともと絵本作家。
『丹波竜のおくりもの』(丹波新聞社)という恐竜の絵本もなかなか素敵だ。
『ハラダさんのハラハラ記念日』(ポプラ社)は、スキーの原田選手の活躍に感動して生まれた絵本。富山県の大島町絵本館全国手づくり絵本コンクール最優秀賞を受賞した。
『はるちゃんのいただきます』は、村上さんが大平さんに手作り絵本の作り方を教えているうちに、2人で絵本をつくることになったという。
ぜひ、ご覧ください。
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