すばらしい命の授業
広沢里枝子さんが、諏訪中央病院看護専門学校の授業に来てくれた。
網膜色素変性症のために、徐々に視力を失っていった。
結婚したときにはまだわずかに見えた。
子どもを生むときに、もしかしたら視力がなくなるかもしれないと医師に言われたが、子どもはどうしてもほしかった。
出産後、完全に見えなくなった。
それでも光だけは何とか見えたが、数年前、光も感じなくなった。
盲導犬のラブラドールレトリーバーに誘導してもらいなから、やって来た。
元保健師の関さんが、ボランティアとしてかかわってくれた。
関さんは、長野県の健康づくり運動のリーダーとして長い間活躍してきた。
70代後半になっているのに、いまも元気で、心のあたたかい人だ。
広沢さんには、目が見えないということはどんなに大変なことか、それでも生きるためにどんな工夫をしているか、看護学生たちに話してもらった。
すばらしい命の授業になった。
学生たちは、広沢さんの話を泣きながら聞いた。
広沢さんは目が見えないことで、人生に負けてない。
目の見えない不自由はあるが、彼女は自由に生きている。
「障害のある人を差別をしないでください
できるだけ普通の人と同じように扱ってほしい
ほんのちょっと支援をしてもらえれば、普通に生きられるんです」
彼女は、そう訴えた。
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