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2010年7月14日 (水)

24時間訪問介護はなぜ、できないか

政府は有識者会議を開き、24時間訪問介護について検討を加え、モデル事業を行うようだ。
10年前、介護保険ができたとき、24時間訪問介護の普及は大きな目標の一つであった。
だが、現在、実施しているのは1800の自治体のなかで90箇所、わずか5%しか行われていない。
厚生労働省によると、在宅介護を望む人たちは74%にのぼる。
しかし、今の状態での在宅介護では、介護地獄が心配。P7051595
そのために多くの人たちは施設に入りたがる。
特別養護老人ホームには、42万人が入居しているが、入居できずに待機している人がさらに42万人いる。
もっと在宅介護をサポートすることが急務のような気がする。

訪問介護の費用は、夜10時から朝6時までは、昼間の訪問の1.5倍になる。
しかし、金額の問題よりも、深夜に訪問してもらうという巡回型の訪問介護を精神的に受け入れる土壌ができていないのではないか。
小倉のウチヤマグループで訪問介護をしている人たちに聞いたが、深夜の訪問介護はリクエストが出てこないという。

24時間訪問介護の整備には、働く人の労働環境をよくすることも必要だ。
ヘルパーの平均年収は250万円前後といわれているが、実際にはパート採用が多く、ここまでもらえていない人も多い。

できるだけ巡回型の訪問介護を充実させながら、緊急型も充実していかなければ、結局は施設に頼らざるを得くなってしまう。

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