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2010年8月31日 (火)

入植地の壁

ベツレヘムのまちには、壁がある。
高さ3メートル、高いものは8メートルもある高い壁が長く続いている。
イスラエルが、入植地を守るために自ら造ったものだ。

壁の内側には、イスラエル人が暮らしている。
ここには、パレスチナ自治政府の支配は及ばない。
丘の上の入植地には、オレンジ色の屋根に白壁のきれいな家が並んでいた。
壁は、上品な石のモザイクがほどこされ、気にならないように配慮されているが、入植地の外側の壁はコンクリートのむき出しである。

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壁は、パレスチナ人の家の真正面に立ちはだかっているものもある。
ワラジャという村では、壁が村を二分している。
同じ村の人が行き来できない、同じ村の人を訪ねられなくなっているのだ。

ハルハマやギロの入植地も見てまわった。
当然、パレスチナ側は、イスラエルの入植活動に反対しているが、ヨルダン川西岸地区では、イスラエル人入植地がじわじわと広がっている。

イスラエルは、新しい入植地をエルサレムの郊外にもつくっている。
入植者が住民投票により、いずれ西エルサレムだけでなく東エルサレムまでも、イスラエルに帰属させようとしているのではないかと、パレスチナ人たちは危機感をもっている。

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壁にはズポンをはかない男の背中がよくかかれている。
社会のあり方に背を向けて生きているが、いつか本物の平和が来たときに振り向くという。

壁にかかれた男が振り向くときは、いつ来るのだろうか。

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