鎌田劇場へようこそ!(50)
「トルソ」
顔も手も足もない、男性型の人形=トルソを抱きしめている女の物語である。
不気味な映画だ。
映画のなかには隙間がいっぱいあって、いろんなことを考えさせられる。
淡々と日常を追っているだけなのに、人間は深い悲しみや苦しみ、憎しみを抱えているということが隙間のなかから伝わってくる。
「誰も知らない」のカメラマン、山崎裕の初監督作品。
一生懸命、こういう映画をつくっている監督や俳優がいるというのは、すごいことだ。
静かで、ゆったりとしてしていて、ところどころで退屈してしまいそうになりながら見た。
しかし、そのうち、だんだんと、これが人間の日常だと思えてくる。
映画が好きな人、詩が好きな人、隙間から想像力を働かせるのが好きな人には、おすすめ。
「僕のエリーは200歳の少女」
ホラー映画である。
ぼくはホラーが大嫌い。でも、この映画はメルヘンみたい。
いじめられている12歳の少年が、少女に初恋をする。でも、少女は200歳生きているバンパイアであった。
残虐な場面もいくつかあるが、不思議なほど静かで、切ない映画。
ホラーが嫌いな鎌田でも、最後まで引き込まれた。
「セラフィーヌの庭」
実在の画家、セラフィーヌ・ルイを描いている。
映画好きにはたまらない映画である。
「告白」
日本映画も元気。
怖いけれど引き込まれる。
人間の心の奥にある鬼のような心が見事に表されている。
人間はまだらなんだ。
この鬼のような心が暴れださないようにする必要がある。
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