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2010年9月 3日 (金)

豊かだが、威圧的な国

イスラエルは豊かだ。
武器を外国に輸出し、潤っている。
トマホークを追撃する軍事技術は、まったく同じ研究者により、カプセル内視鏡などの医療技術に活用されている。

日本でもてはやされている長距離高速ランのWiMAX(ワイマックス)も、イスラエル軍が開発したものだという。
世界のユダヤ人の大企業家とのネットワークもあり、イスラエルの経済はものすごくいい。
パレスチナに侵略するような形で入植しているので、建築業も盛んだ。
イスラエルは、地方のまちにいっても活気に満ちて、ものがあふれている。
昼食は、1人2000円くらいでテーブルに多くの皿が並ぶ。

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イスラエルは警察国家で、非常に厳しい検問をして治安を守っている。
外国人に対しても威圧的で、不愉快な思いをした。
出国するときにも、どのまちを歩いたか、だれに会ったかと、2時間近く取調べのように厳しく聞かれた。

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日本人のぼくに対してもそうだから、パレスチナ人に対してはもっとひどい。
パレスチナ自治区に入植地を広げている後ろめたさを、巨大な軍事力と警察力を使って必死に守ろうとしているように思える。

かつてナチスが非抑圧民をつくり、自分たちの権力を守ろうとしたのに似て、パレスチナ人を抑圧するシステムをつくり、すべての人に有無を言わせない体制をつくっているようだ。
いつまでもこんな体制が続くわけがない。
イスラエルはもっと大人になるべきだ。
このままでは、イスラエルにとっても本物の平和は来ない。

いま、世界の目もイスラエルに対して厳しい。
イスラエルに対するぼく自身の印象も、今回の旅でずいぶん悪くなった。
イスラエルは方向転換のときがきていると思う。

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パレスチナの旅先から急遽、送った原稿が、9/2付読売新聞夕刊に大きく載りました。
イスラエル兵に殺されたパレスチナの少年アハメド君の父親と、アハメド君から心臓移植を受けたパレスチナの少女サマーさんのご家族が、対立を超えて、対面を果たしました。
そのご報告です。ぜひ、お読みください。

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