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2010年9月26日 (日)

日本と中国

尖閣諸島沖の漁船衝突事件で、中国人船長を釈放したという。
つくづく日本は外交オンチである。
まだ漁船船長が釈放されていない段階で、「ニュースエブリィ」でコメントを求められ、こう答えた。

1960年代まで中国も台湾も、尖閣諸島は日本の領土として地図に書かれていた。
石油が埋蔵されているとことが出てから、両国とも自分の領土と主張しはじめた。
その事実関係をきちんと述べるべきである。

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今回の漁船衝突事件に関しては、いち早くビデオを世界に公開すべきであった。
中国の主張が大人気ないことがわかる。
おそらく、ビデオ映像は裁判で使おうとしたのだろうが、一人の人間の罪を問うてもあまり意味はない。
これは明らかに外交の問題である。
個人の罪を問うのではなく、中国がいかに理不尽なことをしているのか公開し、世界の世論に訴えるべきだった。

船長の拘留も1、2日でよかったと思う。
中国に恩を売って、すばやく船長を中国に返し、もう二度としないと発言でもさせればよかっただけの話である。
中国は国民も政治もヒステリックになっているが、大事なのことは、日本は大人の対応をして、ヒステリックにならないことだ。

先日、長崎を訪ねたとき、ぼくはあえて中華街に行ってみた。
何人かの人に、「漁船衝突事件後、中華街に来るお客さんは減ったか」と聞いたら、「いつもと変わらない」と笑って答えてくれた。
事件どころか、中秋節のお祭りの準備でにぎわっていた。

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ここが日本のいいところである。
中国系の人たちを日本は大切にしてきているはずである。
衝突事件くらいで、中華街に行くのをやめようなんていう日本人はいない。
ヒステリックな反応を示す中国に対して、日本はいたって冷静だ。
こういうことをニュースで流せばいいのだ。
そして、この現状を世界中の目にみさせていくことが大事なのだ。

世界と渡り合っていくとき、もう少し日本の外交は戦術的に磨きをかけなければいけないと思った。

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長崎中華街の中国人の店に入った。
豚肉のレタス巻きは抜群の味。
角煮どんぶりも食べた。
本当は、新鮮な魚の和食を食べたかったが、あえてこの時期、中華街に寄ってみた。

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