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2010年10月 9日 (土)

鎌田實の一日一冊(78)

『こんなときどうする?――臨床のなかの問い』(徳永進著、岩波書店)

さすがに徳永進だ。
臨床の現場は、きれいごとではいかない。
急変、訴訟・・・などの問題を、医療関係者側だけでなく、患者側の立場に立ちながら、やさしく考察している。
医師と患者の間を上手にとりもち、両方の心をやわらかくしている。

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情のある医療を実践するためにも、ときには「工夫された非情」が必要とする著者の指摘は、じつにおもしろい。

多くの医師や看護師に読んでもらいたいし、一般の人にもこれほどいい教科書はないと思う。
特に、緩和ケアで働いている人には、秘密のバイブルのような本になるのではないか。

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