日本の言葉の力
日本は、技術力を誇ること、ODAでお金を配ることで国際社会を説き伏せてきたが、言葉の力があまりにも弱い。
今回の中国との件もしかり。
国際舞台でおとなしいというのは、無能、無力を示している。
COP10が大詰めを迎えている。
遺伝資源に対して、先進国と途上国では大きな隔たりがある。
青カビからペニシリン、柳の樹皮からアスピリン、ニチニチソウからオンコビンという白血病の治療に必要な抗がん剤、ハッカクからタミフルがつくられている。
アメリカでは、これらをつくるための膨大な遺伝資源を蓄積しており、新しい医薬品、食品、化粧品などを開発する研究体制ができあがっている。
アメリカは、国連の知的財産権を問うセクションで話し合おうとし、生物多様性条約のなかで話あうことを逃げている。
知的財産権を盾にすると、ハッカクからタミフルができたとしても、ハッカクの原産国に移譲する必要はなくなるからだ。
だが、生物多様性条約では、1993年からの賠償額を払う必要が出ててくる。
地球の遺伝資源を守りながら、途上国にもできる範囲で保障し、貿易立国として新しい医薬品などを開発していく。
こうした強くて、あたたかくて、やさしい国を目指していることを示しながら、国際舞台で言葉の力を発揮していく必要がある。
議長国としてイニシアティブがとれるか、日本の手腕が問われている。
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