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2010年11月 3日 (水)

ネクタイを捨てる

季刊誌「環」で、過日、お亡くなりになった多田富雄さんの世界を特集していた。
多田さんは、世界的な免疫学者でありながら、能の台本を書いたり、詩やエッセイを書いたり、魅力的な人であった。

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「ネクタイを捨てよう」という多田さんの生前のエッセイはしゃれていた。
30歳代の後輩の免疫学者のことを、身なりにかまっておらず、傍若無人で、ときには臭いと書いている。
そして、「これは学問が発展する時期にはきまっていつも起こる現象だ」と述べている。
日本の若い研究者たちももう少しお行儀が悪くなって、自由に討論するほうがいいのではないかというのが、多田さんの意見だ。
ネクタイを捨てようというのは、型にはまるなということなのだろう。

ぼくは、ほとんどネクタイをしない。
しても、年に1、2回程度。
かしこまった学会の記念講演でも、しない。
先日の新聞週間に、新聞協会の関係者を前に、都内の大きなホテルで講演する機会があった。
パレスチナの臓器移植の話や、子どもが自分や家族のためにつくる弁当の日の話、なくなりかけた兵庫県の病院の小児科を、地域のお母さんたちが救う話など、たった一行の新聞記事から始まったという話をした。
そのとき、ぼくは珍しくネクタイをしていた。
多田さんのエッセイに励まされ、これからは堂々とネクタイを捨てることにする。

写真は、岩次郎小屋の庭に咲くシュウメイギク

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