鎌田劇場へようこそ!(58)
「レオニー」
才能豊かな女性レオニーが波乱万丈の人生を送る。
その人は、彫刻家でデザイナーのイサム・ノグチを育てた母親。
かつて酒田の美術館に行ったときに、イサム・ノグチの作品をたくさん見たが、とても優れた芸術家だと思った。
ぼくの家にはイサム・ノグチがデザインしたガラスのテーブルが二つ、サンルームと応接室に置いてある。とても気に入っている。
14歳のイサム・ノグチが一人アメリカに帰り、医学の道に進もうとする。
そのとき、母レオニーは、「あなたは芸術家になるために生まれてきたのよ」と諌める。
母を愛するイサム・ノグチはその言葉に従い、世界のイサム・ノグチとなった。
天才を育てた母親の一つの形が見えてくる。
「折り梅」の松井久子監督の傑作である。
女性監督ならではの美しい光景が随所にあって、心が和む。
中村獅童とエミリー・モーティマーが桜の咲く日本で会うシーンは、詩情にあふれている。
レオニーは若いころ、退屈な人生を批判している。
波乱万丈すぎる人生はつらいことも多かったが、レオニーにとってはおそらく満足な人生だったのではないかと思わせてくれた。
◇ ◇ ◇
鎌田のオススメお正月映画を紹介するため、このところ、年末年始に公開される映画を20本以上観ている。
これからしばらく、映画情報を連チャンでご紹介していきたいと思う。
そのうち、オススメ度点数なども発表しますので、お楽しみに。
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