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2010年12月15日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(64)

「デザート・フラワー」

文句なくおもしろい映画だ。
世界的トップモデルになったワリス・ディリーの自伝本の映画化。

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貧しい国ソマリアで、13歳の女の子が金持ちの年寄りのところに嫁に行かされそうになる。
この女の子は砂漠を越えて、逃げていく。
やがて、ロンドンで、世界的な写真家と出会う。
一人の少女が、自分の人生を変えていくのである。
単なるサクセスストーリーではなく、その後、衝撃的な事実が展開されていく。
ぐいぐいとリアルな世界に引き込まれていく。

悲劇的な風習が暴露されていく。
女性器切除という風習だ。
アフリカのイスラム圏を中心に、土着宗教やキリスト教徒のなかでも行われ、1億~1億4000万人の女性が受けているという。
女性性器を切除してもう一回縫い合わせるこの風習は、結婚まで純潔を保障させる男性中心社会の忌まわしい風習である。
低年齢化し、3歳のときに受けた体の傷は、心にも傷を残す。
感染症にかかり、なかには命を落とすことも珍しくない。

国連で廃絶を訴える場面は圧巻。
二重三重に物語が織り込まれる。

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