鎌田實の一日一冊(89)
『ジョン・レノン』(タッシェン・ジャパン)
ジョン・レノンが生まれて、今年で70年になる。
少年時代のジョン・レノンを描いた「ノーウェアボーイ」という映画を見て感動した。
ジョンには、二人の母親がいた。
複雑な状況のなかで、ジョン・レノンがジョン・レノンになっていく。
その後、ビートルズとして一世を風靡し、ソロ活動をはじめ、あの凶弾に倒れるまでの彼の人生を整理したくて、この本を手にした。
写真を中心にした本である。
ジョン・レノンは、詩人であり、ピアニストであり、ギタリストであり、作曲家であり、歌手であり、平和運動家であることがよくわかった。
イギリスでもアメリカでも、不器用な生き方で、ぶつかりあい続けてきた。
摩擦がないときなんてない。
空気を読むことを世の中は要求するが、彼は空気なんて読まなかった。
ここのところ、ぼくは毎朝、イマジンを聞いている。
大胆な生き方をしながら、これほど繊細な人間はいないと思う。
以前、ニューヨークに行ったとき、街角で売っていたジョン・レノンの写真を買ってきた。
その写真を、隠れ家の書斎に今も飾っている。
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