鎌田實の一日一冊(90)
「小山明子のしあわせ日和-大島渚と歩んだ五十年」(小山明子著、清流出版)
小山明子さんが新しい本を書いた。
大島渚監督と知り合ってから結婚するまでの5年間に、360通の手紙を交わしたという。
ケンカをして、一時期交流がなかったが、1年ぶりに、大島渚から葉書が来た。
「ぼくもやっと監督として1本撮れるようになりました。だれよりも先にあなたにお知らせしたくて」と書いてあったという。
そして、結婚。
しかし、小山明子のいばらの道は続く。
結婚式の直前に、大島渚の「日本の夜と霧」が上映禁止になる。
日本が、どこへ進んでいっていいのか、むきになってもがいている時代を象徴するような、大島らしい映画だった。
大島は、松竹を辞めた。
そんな夫婦の50年の物語。
小山明子さんは、大島渚が脳卒中で倒れた後も、健気に大島を支え続けている。
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