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2010年12月25日 (土)

鎌田實の一日一冊(92)

友人の好村兼一君の新しい本ができた。
『武蔵 円明の光』(角川学芸出版)

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巌流島のその後の武蔵が描かれている。
戦いを終わった武蔵のその後をたどるこの小説は、なんとも深みがある。
前作の『行くのか武蔵』(角川学芸出版)の続編で、人間の奥の奥が描かれていて興味深い。
その人間武蔵の描き方は、
好村兼一、見事!
と言うしかない。

作者の好村はフランス在住で、剣道8段という優れた段位をもっている。
パリでフランス人たちに剣道を教えながら、ひとり黙々と素振りをしながら、剣の技を磨いてきた。
不思議な男である。
都立西高時代に一緒に剣道をしたが、みんなを楽しませるおもしろい男であった。
その後、簡単に東大に入り、途中でフランスに渡り、そのまま東大を中退。
なんとも颯爽としている。

好村兼一とのことは、『この道より道まわり道』(潮出版)に書いた。
魅力的な人間である。

ぜひ、時代小説が好きな人は読んでください。
気に入ってくれると思う。

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