鎌田實の一日一冊(93)
「仮想戦争-イスラーム・イスラエル・アメリカの原理主義」(レザー・アスラン著、藤原書店)
世界が注目するイスラム世界の論客レザー・アスランが「9.11はなぜ起きたのか」を解き明かしていく。
ムスリムの若者はなぜ、ジハードに引かれるか、わかりやすく分析していく。
著者アスランのすごいところは、ユダヤ教とイスラム教、キリスト教に深い教養があること。
イスラム、イスラエル、アメリカの原理主義者たちの仮想戦争の実態がこの本で見えてくる。
テロリズムとグローバル化についても書かれている。
仮想戦争は、紛争やテロの社会的、政治的根源にしっかり取りくんでいないために発生する。
この本を読むと、テロをどうやって食い止めるかのヒントが見えてくる。
少なくともアメリカがやってきた対テロ戦争では解決しないことがよくわかる。
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