「死」がブーム?
中央公論12月号に、医師としてたくさんの死をみてきた話を書いた。
スイスで出会った肝臓がんの男。
もう一人は、八ヶ岳に別荘を持つ、ある大企業の重役だった男。
どちらもスキーが好き。同じ70歳代で、がんの末期だった。
一人は、死ぬ前にもう一度滑りたいと、スイスを訪ねも一日一本、じっくりとスキーを楽しんだ。
もう一人は、死ぬ前にパラレルでゆっくりと滑りたいと夢をもっていたが、その夢を果たすことはできなった。
だが、10人の仲間が10個の雪だるまを作って、病院にやってきた。
男は、滑ることはかなわなかったが、とても満足そうだった。
一人はスキーができて、一人はできなかった。
けれど、ともに満足することができたのだ。
ぼくもスキーが好き。
もし、自分の最後が見えてきたとき、ぼくももう一度、スキーをしたいと思うだろうな。
そして、坂田明のジャズ「ひまわり」を聴きながら、サンキュー・グッバイといえたらいいなと思っている。
このごろ死を取り上げた特集が多い。
死をテーマにした原稿や取材をたくさん依頼されている。
近々、死をテーマにした本を書いてみたいと思いはじめている。
写真は、諏訪中央病院の紅葉(11月上旬)。真っ赤に染まって、見事に散っていく。
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