鎌田劇場へようこそ!(69)
「ゴダール・ソシアリスム」
久しぶりのジャン=リュック・ゴダール監督の映画だ。
「勝手にしやがれ」を発表してから半世紀。
ゴダールはやっぱりゴダールだった。
言葉が氾濫して、怒涛のよう。
趣旨はあるような、ないような、いつものスタイルだ。
スペイン内戦の最後、埋蔵金はどこに消えたのかという推理仕立てだが、その謎解きも途中でどこかに消えていってしまう。
カメラは、エジプト、「戦艦ポチョムキン」の舞台となったオデッサ、パレスチナ、ギリシャ、ナポリ、バルセロナを疾走していく。
昨年、このあたりを旅したので、個人的に親近感がわく。
それにしても、ハンディカメラで撮っているので、すごい緊迫感だ。
今年で80歳になるのに、ゴダールは相変わらず自由。
いいカメラで撮らなくちゃいけないなんていう固定観念はない。
公式サイトで予告編が見られる。
黄金について、悪い奴らについて、歴史について、言葉について、動物について、子どもについて、伝説について、ゴダールは語っておきたいことを自由に語ったようだ。
西洋がつくった民主主義や資本主義について、これでいいのだろうかという強い疑問符がつけられている。
ぼくは青年のころ、ゴダールの「気狂いピエロ」にかなり影響を受けた。
ゴダールがちょっと気になる人は、まず「気狂いピエロ」をおすすめする。
心を揺さぶられたら、今回の映画を映画館に見に行ってほしい。
こんなのが映画なのか、と唖然としてしまう人もいるかもしれない。
映画ならなんでも大好きという人にはおすすめである。
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