臓器移植と情報公開
阪大病院で肝臓と腎臓の同時移植を試みたが、肝臓移植1時間10分後に患者が急変し、亡くなった。腎臓は、移植前だったため、ほかの患者さんに提供されたということだ。
臓器移植で助からないこともあること、そして、臓器が無駄にされず、ほかの患者に提供されたこと。
一般の人は、この二点を知ることができる。
だが、改正臓器移植法で認められた親族提供の2例目の角膜移植は、10月に行われたにもかかわらず、公表されなかった。
親族提供の場合は、機会の公平性という点で微妙な問題があるから、公表しなかったと思われてしまう。
しかし、親族優先提供条項という法律が通った以上、情報公開は必要だ。
もちろん、当事者のプライバシーを守った形での情報公開ということは言うまでもない。
親族間の臓器提供は親子と配偶者に限定されている。
事実婚や特別養子縁組は認められていない。
臓器移植のために、養子縁組が行われてはいけないからである。
情報公開することは、親族優先提供のルールというものがあるということを知らせるいい機会になる。
いまの法律に照らして、臓器提供をするか、しないか、一人ひとりが自分の意思を明確にするきっかけになる。
日本の臓器移植を広めるためにも、日本臓器移植ネットワークは、できるだけ情報公開をすべきだと思う。
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