南相馬鹿島中学校での診療
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再び外圧をかけられている。
アメリカの格付け会社ムーディーズが、6月までに社会保障制度税制改革が形にならなければ、日本国債の格下げするという。
すでにアメリカのS&Pという格付け会社も格下げをしている。
何も決めることができない今の日本の政治に業を煮やしているのである。
解散選挙しても、強い政権ができるわけではない。
ねじれはしばらく続く。
とすれば、もうちょっと大人の対応ができないものか。
あるいは大連立、あるいは新しい政党に組み替えるか。
言っていることはほんのわずかな違いしかないのにもかかわらず、妥協点を見つけられない。
もっとスピーディーな舵取りをしないと、今の時代は乗り切れない。
もう一回、政権の組み直しをするしかないのではないか。
やられたら、やりかえす。
そんな政治をしていたら、泣くのは国民だ。
国民のために大人になってほしい。
写真は、原村に往診に行く道すがら撮影。春の雪が残る
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MOKU出版から「MOKU」という月刊誌が出ている。
生きる意味を深耕するというコンセプトで、中身が濃い。
3月号で、教育の専門家、高橋史朗氏と対談している。
長い対談である。
医療と教育という視点をクロスオーバーさせながら、医療や教育、あるいはこの国を変えていくリアルな力について語り合った。
「にもかかわらず」という考え方を全面展開してみた。
一つの大きな流れから、途方もない方向に話が飛び出したりしながら、命という流れに必ず戻る。
対談をしていて、実におもしろかった。
ぜひ、お読みください。
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トラックの夜間無料化実験で、いい結果が出ているようだ。
深夜、高速道路のすいている時間を無料化することで、経済効果は必ず出てくる。
ぼくの患者さんで、運送業をしている社長さんは、ここ2、3年、外来に来るたびにこぼしていた。
経営が厳しいという。
運送をしている人たちにとっても朗報だと思う。
ものの流れのコストが少し下がり、速くなるということは、資本主義の経済活動としてはプラスに働く。
政府もこういういいことを勇気をもってスピーディーに推し進めるべきと思う。
写真は、原村に往診に行く道すがら撮影。3月というのに雪景色
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ペットボトルや家電のリサイクルなど、リサイクル業界がアジアに進出しようとしている。
政府が環境省を使って、後押しする計画が出てきたという。
日本は環境先進国である。
この技術やノウハウを積極的に売り出すべきである。
このところ政府はインフラ輸出にも力を入れようとしてきた。
積極的な産業活動も大事であるが、産業活動の後始末も地球環境を守るために大事だ。
日本のリサイクル業が、アジアに進出することは大賛成。
中国、東南アジアだけでなく、インドやブラジル、トルコなどこれから経済が活発になっていく地域にも進出すべきだと思う。
若者の雇用拡大のために、とにかく元気よく、世界へ打って出よう。
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200万回目にアクセスされた方から、お手紙をいただきました。
岐阜県のNさんという方です。
証拠として、200万アクセスの画像をコピーしてくれました。
お約束どおり、新刊『人は一瞬で変われる』(集英社)にサインしてお送りしました。
この本は、先日3刷が決定。好評のようです。
近々「BIGtomorrow」という雑誌でも取り上げられるそうです。
「八ヶ岳山麓日記」をたくさんの方に見ていただき、感謝します。
このブログがスタートしたのは、2008年5月16日。
はじめは、「なげださない」というタイトルで、生き方のヒントを綴ってきました。
ほぼ毎日、ゆるゆるとお届けするつもりが、いざスタートしてみると、ほとんど一日も休まず、2、3ヵ月後からは必ず一日1本、ときには2、3本の記事をお届けするようになりました。
途中から「日刊・鎌田實 なげださない」というタイトルに変更し、さらに信州の自然とつながる生き方を意識して、現在の「八ヶ岳山麓日記」に至っています。
365日、一日も休まず続けてきました。
続けることを楽しんでいます。
日本国内はもちろん、北極やチェルノブイリ、イラクの砂漠、そして先日はペルーやガラパゴス諸島から、情報を送りました。
外国によっては通信状況が万全ではなく、難しい場所であればあるほど、どうやって新しい情報を送るかおもしろがっています。
あるときイラクの砂漠でも携帯電話が使えることがわかり、携帯電話に頼った時期がありました。
昨年、モロッコに行ったときには、携帯電話を多用したため、利用料金が27万円もかかってしまいました。
さすがに反省して、それからはできるだけインターネットを使うようになりました。
最近は、電話でスカイプを利用しはじめました。
相手もスカイプだと無料ですが、スカイプでなくても100分の1くらいの値段ですみます。
いろいろな通信手段を覚えることも、また楽しみです。
今後は300万アクセスに向けて、365日休むことなく、岩次郎小屋から、日本のあの町から、そして世界のどこかから、おもしろい情報をお送りしたいと思います。
どうぞ、ご期待ください。
写真は、7日の春の大雪に覆われた岩次郎小屋の庭
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日本に帰ってきて、一日目からテレビ出演をするなど忙しく過ごした。
南米とは14時間の時差があったにもかかわらず、時差ぼけはまったく感じていない。
ただ、電車に乗ると引き込まれるように寝てしまうので、体調は万全というわけではないようだ。
7日、朝4時半に起きると、空気が違うことに気づいた。
窓の外をみて、やっぱりな、と思った。
春の大雪である。
このあたりでは、春が来る直前に降る大雪のことをカミ雪という。
この日は、大雪のなか、原村に往診に行った。
予約外来もあふれ、大忙しの一日になった。
写真は、7日未明に降り積もる春の大雪
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再生の朝に―ある裁判官の選択―
中国の映画である。
この映画によると、中国の刑法では、自動車の窃盗犯には死刑が適用される。
そして、死刑囚の臓器は、金持ちのために移植される。
そんな制度のなかで、一人の裁判官が必死に抵抗する。
正義とは何かを考える。
命がけで正しいことをしようとするが、家族は壊れていく。
娘が不審な死を遂げる。
妻の精神は病んでいく。
どこの国にも勇気のある、すばらしい人がいる。
なかなかしんみりとした、いい映画である。
中国は生産年齢人口が徐々に減りはじめている。
5年以内には、高齢化社会がやってくる。
しかし、日本ほどの社会保障制度がないため、今後、大きな問題を抱えるのは必至だ。
今のままの中国でいいわけがない。
これからいちばんの高度成長国として期待されるのはインドだ。
しかし、いすれインドも新たな問題を抱えることになる。
こういう世界観を中国も持ちながら、国際的にもう少し大人の行動がとれるようになるといいな。
この映画をみながら、そう思った。
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アジア杯で優勝したザッケローニ監督が、故郷イタリアに帰り、地元の新聞記者に日本についてこんなことを話したという。
「教育、しつけ、清潔さ、すべてがすばらしい。物価は2倍だがお金を払うのも気持ちいいくらい」
ザッケローニ監督の「日本人大好き」という言葉も、日本人にとってはうれしくなる。
監督のこの言葉には日本のいく道が示されているように思う。
教育、しつけ、清潔さ。
どれも自信をもっていいものである。
このごろ日本人自身が自信をなくしている。
外国と比べても、この3つのは日本の宝である。
そして、しつけや清潔さをもとにしたサービスの質の高さは、胸を張っていい。
ホテルや旅館、レストラン、日本流の自慢のサービスを若者たちはもっと学んで、外国へ出ていったらどうか。
日本人は、味覚も繊細な感覚をもっている。
料理をつくる技術も、食べさせる場の空気づくりも、日本人は得意である。
日本のラーメン屋やカレー屋が中国で大成功しているという。
日本の特徴、教育、しつけ、清潔さをさらに磨いて、外国に打ってでたいものである。
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口蹄疫が、半年ほど発生していない。
これにより、日本は、清浄国として認められた。
貿易が自由化すると、外国から牛肉などが安く、大量に入ってくる。
それが、貿易の自由化に反対する理由の一つになっている。
しかし、牛肉の関税はもう35%くらいしかかかっていない。
それならば、外国の牛肉が入ってくるのを恐れるのではなく、もっと積極的に日本の高級和牛を外国に出していくチャンスと考えるべきではないか。
アメリカや中国に輸出を働きかけるべきである。
日本のステーキハウスの技術も、輸出すればいいと思う。
洗練された、肉を焼く技術は、豊かになりはじめている中国や東南アジアにも受けるのではないか。
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毎週月曜、ニッポン放送「高嶋ひでたけのあさラジ!」に出演している。
早朝6時20分からの有楽町朝活クラブのコーナーである。
3/7は、月に一度の鎌田のおすすめ映画として「英国王のスピーチ」を取り上げる。
このブログでも紹介している、感動的な映画だ。
3/14は、『鎌田實の「あなたがいたから」』(主婦と生活社)が取り上げられる。
NHKの番組「こころの遺伝子」を本としてまとめたものだ。
ぼくの子どもたちに長芋掘りさせてくれたり、身寄りのなかった茅野市で、親戚きみたいになってくれたおばあちゃん。
そのおばあちゃんから、どんな「こころの遺伝子」をもらったのか書かれている。
3/21は、人は旅でどう変わるかというテーマで話をする。
障害があっても、病気があっても旅をあきらめない人たちと、何度も一緒に旅行をしてきた。
今年も、4/17からの「ドリームフェスティバル イン 台湾」がある。
朝早いですが、ぜひ、番組をお聞きください。
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元ミス日本で、ダンサーの吉野ゆりえさんと対談した。
彼女は、後腹膜平滑筋肉腫になった。
次々に再発。手術は7回に及ぶ。
後腹膜だけなく、皮膚や肺にも転移した。
それでも、負けない。
全日本ブラインドダンス選手権大会を立ち上げた。
目の見えない人たちにダンスの喜びを味わってもらおうというものだ。
40歳近くになって、高校に通っている男性が吉野さんの指導でダンスをはじめた。
ダンスがおもしろくて感動したという。今こそ青春だ、という。
そして、ステップをみがき、全日本選手権でチャンピオンになった。
自分の病気のことは横におき、必死に困難のなかで生きる人たちを支えている。
すばらしい女性である。
吉野ゆりえさんとの対談は、現在発売中の月刊「がんサポート」に掲載されている。
「女であることを絶対に捨てない」という彼女の言葉が、印象的だった。
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アレクサンドリア
年に1本しか劇場で映画をみない人はこの作品をおすすめする。
愛があり、スペクタクルあり、人生を考えさせてくれる。
4世紀、実在の女性天文学者がたどる数奇な運命の物語。
監督は、アレハンドロ・アメナバール。
「海を飛ぶ夢」という尊厳死をテーマにした名作をつくっている。
かつて週刊朝日で連載していたころ、この「海を飛ぶ夢」について書いたが、この作品はアカデミー賞外国映画賞に輝いた。
主役は、絶世の美女といわれたレイチェル・ワイズ。
すばらしい演技をしている。
2006年にアカデミー助演女優賞を受賞している。
海底に沈んだという都市アレクサンドリアは、当時、世界で最も充実した図書館があったが、宗教の戦いのなかで壊された。
地球は動いていることを証明しようとする女性天文学者に対し、地球が動くわけはないと考える宗教家たち。
いくつもの人間的な闘いの構図を描きながら、一人の女性の悲しい運命がたくみに描かれている。
日本人にはわかりにくい宗教のことがわかりやすく描かれており、
信仰の怖さがわかる。
反ユダヤ教の考え方がどんなふうにつくられてきたのかもわかった。
不条理な人生を見事に表現している。
感動します。
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ゾウガメが、島のいろんなところにいる。
驚くほどたくさんのペリカンが、海で泳いでいた。
ガラパゴス諸島は、ダーウィンが進化論を考えつくことになった「進化論の島」。
神が世界の創造主であるとする教会の力が強かった150年前、自然選択や生存競争のなかで進化するという画期的な構想を展開した。
4年10ヶ月、ビーグル号で世界を航海しながら調査。
特に、このガラパゴス諸島で見た動植物の姿に、彼の心は踊ったことだろう。
ダーウィンは、祖父と父が医師という裕福な家庭で生まれた。
妻は、ウェッジウッドの創業者の孫という。
一時期、医師を目指したが、自分に合っていないと止め、生物学を志した。
父は牧師にさせようとしたらしいが、生物学や博物学への探究心はおさえられなかった。
そして、あのビーグル号に乗り、人生が変わった。
ダーウィンの「種の起源」は、現代の科学ですべて認められているわけではないが、ダーウィンの世紀といわれるほど、世界にインパクトを与えた。
大木のような幹のウチワサボテン。
ゾウガメやリクイグアナに食べられないように、その実は肉厚になり、高所につけるように進化していった。
もともと哺乳類がいないガラパゴスでは、食物連鎖の頂上にゾウガメやイグアナが立った。
そのためゾウガメやイグアナは、多様に発達していく。
ガラパゴス諸島は大小の島が集まっているが、それぞれ距離を保っているために、少しずつ違った形や文様のまま生息。それが、ダーウィンに進化論の着想に示唆を与えた。
ヨウガントカゲは、名前のとおり溶岩の岩場に住んでいる。
ダーウィンフィンチという鳥は、13種類の亜形があり、木の中の虫を食べる鳥と、草の実や葉を食べる鳥とで、くちばしの形が違う。
進化論に登場する動植物が目の前で生きている。
ダーウィンの島は、なんともおもしろい。
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お知らせ
鎌田實が、NHK放送文化賞をいただくことになりました。
ラジオ番組「鎌田 實 いのちの対話」を評価していただいたようです。
感謝です。
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ガラパゴス諸島は、エクアドルから約900キロ離れたところにある。
空から見た島は、とても美しかった。
南極からフンボルト海流が流れてきているために、赤道直下にもかかわわらず、気温20度前後と温暖だ。
今は夏の雨季。ぼくたちが訪ねた日も雨だった。
背の高い森に茂るのは、スカレシア。大木だが、なんとキク科の植物で、ガラパゴス固有のものである。
しかし、島の外から動植物が入り、森の姿が変わりつつある。
スカレシアの葉を食べるゾウガメの生態にも影響を及ぼしている。
ピースボートでは、スカレシアの森を復活させようにと、何回もスカレシアの植樹を行ってきた。
昨年6月のぼくの誕生日には、ぼくの名前を書いたプレートをつけたスカレシアを、ピースボートの参加者と現地の高校生と一緒に植樹してくれた。
半年でぼくと同じ背丈まで育った。
3年もすると10メートル近くになるという。
何年か後には、鎌田實の名前がついたスカレシアが青々と枝葉を広げているかもしれない。
2年前、タヒチ島でも、ヤシの木を植樹した。
いろんなところで、ピースボートと協力し、木を植えている。
ピースボートの植樹活動が、大きく広がるといいな。
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ペルーのカヤオからピースボートに乗船し、コロンビアまで旅をしてきた。
その船旅の最後の夜、ウクライナ人の洋上のピアニスト、サーシャとともに、クルーズディレクターの日高さんがチェロを演奏してくれた。
「鳥の歌」「白鳥の湖」の音色にのって、今回のぼくのピースボートの旅は終わった。
若者たちが寄せ書きをしてくたれり、一緒に写真を撮り、握手を交わしながら、感動的な別れになった。
コロンビアに入港した。
コロンビアはブラジルと同じように、石油や石炭、エメラルドが産出するため、たいへん好景気だ。経済発展が著しいBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の次には、コロンビアやベトナムが来ると推測されている。
そのコロンビアを見ながら、エクアドルに入国。
エクアドルのキトで一休みして、いよいよ旅のハイライト、ガラパゴス諸島に入る。
2800メートルのキトから飛び立った飛行機から、アンデスの山中でこんな山を発見。
まるで富士山のようだ!
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クナ族という人たちにも出会った。
なんとなく日本人に似ている。
結婚適齢期は15~18歳くらい。
女の子は元気がいい。若いお母さんも元気がいい。
ガスも電気もない。
伝統的な生活をしている。
高床式のわらぶき屋根の家に住んでいる。
今年の4月から村に学校ができるという。
これまでは、学校まで船で行かなければならなかったので、子どもたちは大喜びだ。
この村から大学に行くような子がでてくるか、と聞いてみた。
いずれ、近いうち、と頼もしい答えが返ってきた。
伝統的医療を行う施術者と会った。
施術者には、まじないを行う人と、主に薬草を使う人の2つのタイプがいるという。
彼は、薬草に詳しいタイプのほうで、まじないは使わない。
コロンビアに修行に行ったという。
彼の話では、高血圧や糖尿病に悩む人、がんといわれた人が、北アメリカや南アメリカからやって来るという。
このあたりでは有名な存在らしい。
いくつかの葉っぱを見せてもらったが、チンプンカンプンだった。
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お知らせ
3月3日にnews everyに出演します。
エクアドル→パナマ→ロスアンゼルス→羽田と、怒涛の大移動をして、日本テレビに飛び込みます。
自殺週間にちなみ、自殺について取り上げようと、news everyのスタッフと海を越えて相談してきました。
ぜひ、ご覧ください。
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村の名前はエンベラケラ村という。
「ケラ」は香りという意味で、かぐわしきエンベラ村という意味だという。
18家族48人が住んでいる。
エンベラ語とスペイン語を話す。
ピースボートは、この地で異文化交流を4年間やってきたという。
14歳の女の子は、船に乗って学校にいくという。
学校は大好き、と語った。
目、鼻、耳、口と教えると、片言の日本語でまねをする。
頭、肩、膝、と付け加えても、あっという間に覚える。
最後には、お尻まで覚えてしまった。
頭、肩、膝、ポン、膝、ポンと歌いながら、みんなで日本語を覚えようとしていた。
体が全体的に小さい。インディアナの特徴である。
出アフリカに成功したホモ・サピエンスが、モンゴル高原にたまり、その後、北上し、ベーリング海峡を渡り、南アメリカに入っていく。
その過程の人たちの子孫なんだろう。
もちろん、ぼくたちとも、どこかでつながっている。
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