セシウムを食べる微生物
静岡大学の加藤教授と、久しぶりにお会いした。
加藤先生には、諏訪中央看護専門学校で生物の授業をしていただいている。
命がどんなふうに始まり、伝わったか、生物学という視点から紐解いてくれる。
諏訪中央病院看護専門学校の自慢の授業の一つである。
お忙しいのに遠く長野まで、そして、薄謝にもかかわらず、看護師の教育に情熱をもっていただいている。
幸せな学校だと思う。
お時間が許すときには、看護学生たちの慰労会にも出ていただいている。
その加藤先生からおもしろいことを聞いた。
ロドコカス・エリスロポリスという微生物がセシウムを食べるという。
細胞の中には、ナトリウムとカリウムを入れ替えるポンプがあることは、以前から知られていた。カリウムとセシウムは似ているために、細胞はナトリウムを外に出しながら、カリウムの代わりにセシウムを取り入れてくれる。
言い換えるなら、セシウムを食べてくれるということだ。
この微生物を土の中に入れれば、セシウムを食べて集めてくれる。
ヒマワリや菜種がセシウムをよく吸収するといわれているが、加藤教授は微生物を利用した土壌改良というのが妙案だという。
植物は、野菜などに風評被害が広がる可能性があるが、微生物は風評被害が起こりにくいというのがその理由だそうだ。
なるほどなと思った。
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