被災地支援と資本主義
資本主義にこだわって、被災地支援の問題を考えてみた。
この大震災では、青森の一部から岩手、宮城、福島、そして関東と、気が遠くなるほど広い範囲が傷ついた。
できることをしようともみんなが応援してきた。
仮設住宅ができても、避難所にいたほうが三食食べられるからということで、避難所にいることを選ぶ人が少数だがいるという話を聞いた。
避難所に対して不平不満はあるが、避難所での生活が体にしみこんでしまう。
あまりいいことではないと思う。
援助づけにならないように、どうしたらいいか、いつも考えている。
どう自立に向かえるか、問われているのだと思う。
仮設住宅の建設にかかるお金を、自分で家を建てる人への補助金にあてれば、家をもつ決断も早くつく。
その家は長期的に住むので、コストやエネルギー問題からとらえても、一時的に住む仮設住宅よりもいいに決まっている。
たくさんのボランティアが入ることも大事だが、被災した人たちが仕事をして、そこにお金を払う、キャッシュ・フォー・ワークという考え方も大事だ。
小さなボランティアグループでも、ボランティアするだけでなく、どうしたら現地で雇用を生むことができるか、模索してきた。
船を失った漁師さんに、小さな資本を集めて船を買うお金を工面し、捕れた海産物を売るという、フェアトレードの考えを利用するのもおもしろい。
たとえば、apバンクのように、目的がはっきりしている小回りの利くバンクをつくり、小さな新しい資本投下が行われ、それを利用して、被災者たちが起業できるようにしていくことは、最も資本主義的な手法だと思う。
ぼくは資本主義というシステムをあまり好きではなかった。
どっふりと資本主義に浸かりながら、屈折した見方をしたきた。
今は、むしろ資本主義のシステムを本気で考え、資本主義の原点に立ち、資本主義の手法を使って経済を活性化し、エネルギー問題をとらえ直すことで答えを見出そうとしている。
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