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2011年5月16日 (月)

地域医療とキサブロウさんのこと

18日は、諏訪中央病院のほろ酔い勉強会で、鎌田が南相馬や石巻、女川、陸前高田などの被災地を訪ねたときのことをスライドを用いて話す。
健康のワンポイントレッスンもある。

詳しくはこちら↓

http://www.suwachuo.jp/horoyoi.html

夜は、原村のカナディアンファームで鎌田塾。
新しく入ったドクターたちに、36年前の地域医療のことを話す。
東北に何度もボランティアに行っているカナディアンファームのオーナーのハセヤンと一緒に、ボランティアの力についても語るつもりだ。

                      ◇

35年近く付き合ってきた原村のキサブロウさんが、亡くなった。
9月で満100歳。
3月に子どもや孫、ひ孫たちが集まり、100歳のお祝いを盛大に行ったばかりだった。

キサブロウさんが亡くなったとき、ぼくは石巻にいた。
主治医の先生たちが何度も、ぼくに電話をくれた。
キサブロウさんは、ぼくを待ってくれているように、細い息をつないでいたが、間に合わなかった。
東北から帰ってすぐに、キサブロウさんの家を訪ねた。
おだやかないい顔をしていた。

病院を退職して7年、何人かの若い先生たちと分担しながら、キサブロウさんを支えてきた。
人生の大先輩だが、まるで親友のように思っていた。
昨年のNHKの番組「こころの遺伝子」にも登場してくれた。
奥さんも在宅で看取った。

最後にキサブロウさんに会いに行くと、子どもたちがおじいちゃんのお棺の中に、鎌田が来てくれた証拠の写真を入れるんだといって、みんなで写真を撮った。

亡くなったばかりなのに、みんなあたたかい。
お嫁さんも、これ以上、看てあげられないというくらいよく介護した。
みんながおじいちゃんを大事にした。大往生だった。

キサブロウさん、100年よく生きました。
長い間、ご苦労さまでした。

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