災害弱者の命を守ろう
釜石市の震災による死亡者は813人、行方不明者は540人。
被害は大きい。
先日、山側にある特別養護老人ホームを訪ねた。
定員90人の施設。
災害発生時、デイサービスに来ていた人たちも帰れなくなった。
多くの利用者は家を流された。
もちろん、職員たちも家が流されて帰れない。
この施設には自家発電があったため、近くから被災した人たち200人が集まった。
グループホームのお年寄りたちも、ここに避難してきた。
みんなの命がかかっているので、来る人を拒めない。
360人の人たちが、この特養で3日間ふんばった。
自家発電は、3日目で止まった。
米もなくなった。
孤立しかかったとき、地域の人が炊き出しにやってきて、何とかしのいでうちに、おむすびなどが届くようになった。
職員たちは、お年寄りを24時間体制で支えたという。
その後、余震が続くなかで、必死にケアを続けた。特に、トイレは困難を極めた。
地震から3週間後あたりから、9人のお年寄りが亡くなりはじめた。
直接の震災による死亡ではなく、災害関連死という。
もともと高齢であり、虚弱な人が多い。
そのうえに、震災時のストレスやその後の混乱が大きな負担になったのだろう。
4人部屋が6人部屋になったり、今までよりも運動する量や機会が減ったりするなかで、エコノミークラス症候群による肺梗塞や、感染症がおきたかもしれない。
災害関連死を減らすためには、災害弱者をどうやって守るか検討する必要がある。
脱水を防ぎ、できるだけ体を動かし、感染症に注意する。
精神的に孤立しないようにすることも大事だ。
職員たちは、頭が下がるほど、本当によく看ている。
今回のことは、できるだけのことをした結果なので、なんともやるせない。
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